先日、お客様からのご依頼で、

   色留袖の紋消しを承りました。

 

   素晴らしい加賀友禅の色留袖で、

   もったいなくもありましたが、

   紋が五つもあって、

   比翼がついているものでは、

   お召しいただく機会が少なくかえって

   もったいないとのお申し出でした。

  

   茶道のお稽古をしておられるお客様です。

 

  正直申しまして、

  抜き紋を消すと言う事は、

  基本的にきれいにするのは難しいことです。

 

  全く分からなくすることは出来ません。

 

  背紋は、縫い込むことで消すことも可能ですが、

  胸や袖の紋はそうはいきません。

  

  そこで、

  まるっきり全く無かったことには

  出来ないことをご了承いただいたうえで、

  胸の紋は出来る限り、

  袖の紋も出来る限り消したうえで、

  右袖と左袖を取り換えると言う方法を

  取らせていただく事に致しました。

  

  まず、胸の紋ですが、お召しいただいた時

  意外と袖付との間にしわとなって

  入ってしまう場合が多い場所です。

 

  そして、袖を取り換える事によって

  紋が内側となります。

 

  基本的に人は歩く時、

  手を開いて歩いたりはしませんので、

  ほとんど、目に触れる事が無いのが内袖です。

 

  お三味線を弾かれる方は、

  目立つかもしれません。

 

  紋の数は、有り過ぎてもいけませんし、

  なさ過ぎてもいけません。

 

  ただ、最近の傾向として、

  比翼の着いた正式の色留袖でも、

  紋は三つが多いようです。

 

  三つ紋の色紋付も、

  なかなかお召しいただく機会が

  限定されてしまうものです。

 

  その場合、

  この様な方法もあるのをご記憶ください。

  

  お着物のご相談は、きもの蔵人みやもとまで