皆様、ご存じのように、
当店では、
年に二回お手入れ三割引の会を開催致しております。
これだけおきものお召しになる方が
少なくなっているのだから、
それ程集まらないかな・・・などと思っておりますと
沢山のおきもののお手入れをお持ちくださいます。
有難いことです。
以前にも申しましたが、
おきもののお手入れやリメイクは、
何でも承れば良いと言うものではありません。
これは、おやめになられた方が良いですよ
というアドバイスも必要な時がございます。
まずは、お生地が弱って無いかが一番ですが、
ご希望に沿う事が出来るかどうかだと思います。
例えば、薄い地色の附下を、
別の薄い地色に変えたいと言うご希望の場合は、
とても難しいと思います。
基本的には、
同色系のより濃い色にしかならないのです。
かなり派手なピンクの地色の附下を
紺色の地色に変えたいと致します。
その場合に、柄を生かす方法ですが、
二通りあり、
糊伏せして柄と地色の隙間が
無いようにする方法と、
除けぼかしと言ってすぐそばまでは
地色が変わるけれど、
厳密には元の地色が若干残る方法です。
お値段は、当然後者の方がお安くなります。
しかし、地色を紺色に直すのに
柄との間に派手なピンクが顔を出したら
イメージはどうでしょうか?
その方のタイプにもよりますが、
基本的には、
糊伏せの方法をお勧めしたいと思います。
ただし、糊伏せは、
柄の分量によってお値段が違いますので、
勿論事前にお見積もりさせて頂きます。
しみ抜きについてですが、
これも、
必ず取れるというものではございません。
余りに付けてしまってから
お時間がたってしまった場合や、
汗などによって少しずつ少しずつ
溜まっていってしまったような汚れも、
元通りにするのは難しいです。
あまりにたくさんシミがついている場合などは、
一旦解いて洗い張りをさせて頂かなくては
ならない場合もございます。
しみ抜きなどで元通りにならない場合は、
染替えなどで対応させて頂きますが、
基本的に、
そのおきものに対して
どれだけの愛着がおありかによります。
これも、以前申しましたが、
新しいおきものでもお手持ちのおきものでも、
お仕立て代は変わりません。
そのおきものを
リメイクするのにかかるお値段が、
購入金額だと思ってお考えいただけましたら、
それをする事が適しているかどうかが
ご判断頂けると思います。
お手入れ代金と思われると、
すごくお高く感じられると思います。
お手入れ代の範疇は、
しみ抜き生け洗い位までだと思います。
でも、そんなことが出来るお召し物は、
世界中探しても、
日本のおきものだけだと思います。
昔の一般の家庭では、
沢山おきものをお持ちじゃなかったので、
夏には単衣でお召しになったおきものを
洗い張りして冬には袷に
縫い直して着たと言うお話もございます。
本当にエコなのです。
お着物のご相談は、きもの蔵人みやもとまで