知恵袋と言えば、昔は、どこの家のおばあちゃまも、
きもののことは解っておられましたし、しきたりのような物も、
それぞれのおうちの中で誰かかしらが知っていたと思います。
しかし、最近は、インターネットのことや、
エクセルやワードのことは、良くわかっている人でも、
日本ならではの風習やきものとなると解らない方が増えてきました。
だからこそ、当店のような店が、何でも相談室ではありませんが、
きちんとした回答を出来るようにならなくてはいけないのだと思います。
もともと、私の実家の父は三男で、
私の生まれは金沢ですが、
幼稚園の年長の頃には東京に出てきておりましたし、
その後自宅を建てたのが藤沢の分譲地ですので、
近所付合いは無し、親戚付合いは無しという気楽な家でした。
ですから、私自身決して、常識やうんちく、
きもののことも詳しくはありませんでした。
やはり、このうちに嫁に来てから、色々なことを覚えたと思います。
例えば面白いのは、お盆の時の仏様のご飯です。
当家では、八月十三日の夕方、迎え火を焚きます。
鐘を鳴らして、父のすぐ下の妹が(もう亡くなりましたが)
「お爺さんお父さんここですよ、間違えないで来てください。」
と言っていたのが、耳から未だに離れません。
仏様用のお膳がありまして、その晩からお食事を用意します。
勿論、精進料理です。
面白いのは、三日目の朝ごはんです。
朝ごはんと一緒に小風呂敷に包んだおにぎりを用意します。
何でも、仏様は、
あの世に戻ったら皆に渡すお土産を最終日に買いに行くそうで、
おにぎりを持って探しに行くのです。
そして十五日の夜、なるべく遅めに送り火を焚いて、
「また、来年も来てくださいね。」と送ります。
ですので、お盆にお墓参りをしても、仏様は、不在と言うことになります。
でも、何故か、お盆にお墓参りをする人が多いですね。
お墓にお迎えに行く方もおられます。お家によって、色々です。
お着物のご相談は、きもの蔵人みやもとまで