私が思うには、おきものは、

 実年齢より少しでも若く見られたいと思っている年代には

 向かない物だと思います。

  

 年齢が重なることが年輪として感じられる年頃になってこそ、

 おきものが本当に似合うようになり、

 きものによって、その人の重厚感が増すようになるのだと思います。

 

 問題は、それまでに、

 きっちりきものを着られるようになることが大切だと言うことだと思います。

 

 おきもの年齢に入ってから、きものを着るようになるのですと、

 きものに着られてしまうと言うか、身に添わない感じになりがちです

 

 一番、きものの着姿で、着慣れていらっしゃるかどうかが目立つのは、

 衿元かもしれません。

 

 勿論、帯の形や着丈など、気になるところは色々あるのですが、

 衿の抜け具合と言うのが、意外とその辺りを表すような気がします。 

 

 着慣れない方には、衿元をゆったりすると、

 ついつい着崩れるのではと思いがちで、慣れない時は、

 つい詰めて着てしまうものです。

 

 余りゆったり着ますと、だらしなくなってしまいますので、

 その加減が難しいのですが、

 紬・小紋でこぶしが縦に入るほど衣紋を抜き、

 紋付以上は、こぶしが横に入るほど抜くのが目安です。

 

 しかし、前から見た時の衿元の合わさりの位置は、

 決して下に下り過ぎないように

 年齢によって角度を鋭角にしていくことは大切ですが、

 その合わさる所の位置を下げすぎるとだらしなく見えてしまいます。

 

 当社の着付け教室の卒業生の方も、

 その後、お茶のお稽古でも始められない限り、

 お召しになる機会が少なくなりがちですが、

 最近は、毎月、同窓会としてお食事会をしておりますので、

 結構お召しいただいている方もおられます。

  

 せっかく、ご自分できれいにお召しになれるようになったのですから、

 週に一回、いや、せめて、一ヶ月に一回はおきものをお召しになって、

 外出されることをお勧めいたします。

 

 外出と言う所がみそです。外に出るとなりますと、

 緊張感もあり同じお召しになるとしても真剣みが違うはずです。

 

  お着物のご相談は、きもの蔵人みやもとまで