我が家の紋は、初代が作った創作紋です。

 

 紋帳には無い紋です。

 

 当時、長男は徴兵を免れる時代で、男の子が多かった家では、

 跡継ぎのいない家に養子に出したりしていたようで、

 跡継ぎのいなかった宮本家に初代は養子として入ったそうです。

 

 ただ、宮本家は医者の家系だったようで、医者ではなかった保次郎は、

 染物業を始め、新たに、この紋を、創作して宮本家の紋としたようです。

 

 紋と言えば、よくお客様に聞かれることがありますが、

 お嫁入りに黒紋付を持たせたり訪問着や色紋付を持たせたりする場合、

 どこの紋を付けたら良いのかと言う事です。

 

 これは、かなり、地方によって違います。

 

 一般的に西の方では、女紋と言って、

 母方の実家の母の紋をずっと引き継いでいくと言う風習があります。

 

 一つの家に、男性用の紋と女性用の紋、二つが存在する事になります。

 

 これですと、嫁ぐ時に母親の着物を持って行くとしても、

 紋を入れ替える必要が無くなりますし、

 女性用の紋は、優しい紋が選ばれている可能性が高くなります。

 

 これに対して、これも一般的に東の方では、父方の紋を女性も付けます。

 

 しかも、実家で用意してくれた着物に対しては、通常、

 実家の父親の紋を付けます。

 

 つまり、結婚してもご主人がなかなか着物を買ってくれず、

 ずっと、実家のお母様が購入してくれている場合などは、

 ずっと実家の紋が付く可能性があると言うことです。

 

 勿論、優しい方は、嫁ぎ先の紋にしてあげる場合もありますが、

 理論上は、スポンサーの実家の紋となります。

 

 結婚して、へそくりとは言いしな、

 ご主人のお給料で購入しておられる場合は、

 ご主人の紋を付けることとなります。

 

 そうしますと、結婚はしておられても、

 お仕事をしておられてご自分のお給料でご購入される場合はどうなるかと言えば、

 奥様のお気持ち次第、どちらでも良いことになります。

 

 最近では、ご自分が好きな紋を入れるという方もおられ、

 紋帖を見て、この紋が好き!と決める方もおられます。

 

 

 着物の世界もかなりファジーになって来ました。

 

 

  お着物のご相談は、きもの蔵人みやもとまで