男物のお着物を譲られた時、有効に活用するのが難しいものです。
男物は、対丈(お端折り無く)でお仕立しますので、譲られたままで、
その後の世代の方がお召しになるのは、難しいことが多いです。
次の世代の方の方が、背が高く、手が長いことが多いので、
解き洗いをして、仕立て直さなくてはなりません。
それでも、昔のお品物は、とても良いものが多いのですが、
身丈は、縫い込みがあれば何とかなるのですが、
反物自体の幅が狭いので、大体、次の世代の方の手の長さには、
対応できない場合がほとんどです。
かと言って、諦めて捨ててしまうのは、もったいないです。
昔の男物は、大体、アンサンブルと言って、お着物と羽織が、
対になっている場合が多いです。
ですので、それを、両方使って、女物に作り直すことが出来ます。
だいたい、亀甲や無地のお品が多いので、さっぱりした感じのものに、
なりますが、そこがかえって、今のお洋服感覚の方には、よく合うと思います。
この場合は、裄が足りませんでしたので、うまく亀甲の柄を合わせて、
袖の付けの部分にハギを入れて、目立たないようにしました。
女性でしたら、かなり背の高い人でも男物の寸法で何とかなる場合が多いです。
身丈は、共布であれば、4尺ほど足すことも可能です。
かなり小さな方の着物でも、アンサンブルなら可能です。
もう一つのご提案は、作務衣に作り直す方法です。
もちろん、洗い張りしてから作り直すようになりますが、
当店の社員は、海外旅行に行くとき、半襦袢を着て、作務衣を着て、
足袋をはいて、下駄で出かける者がおります。
少々足がむくんでも、靴よりずっと楽だと申しております。
残されたお着物を、何とか生かして、故人の思いを引き継いでいただけたらと思います。
お着物のご相談は、きもの蔵人みやもとまで