二十八年ほど前に、当社では、お着物をお預かりするために蔵を建築いたしました。
当時自営業だった染物店から、本格的に呉服業に転換し法人化するに当たり、
多くの方にアンケートをし、
なぜお着物を最近お召しにならなくなったのかを調べました。
「着る機会がない」
「着ることができない」
「手入れが面倒」
「保管するところが無い」などが、その大半を占めました。
だったら、それらを全て私たちの手で解消したら、
お着物をお召しになる方が増えるのではないか?
それを、実行するために、色々な方策を考えました。
例えば、月例お食事会を開催し、月に一度はお着物をお召しいただこうと、
色々なお食事どころを予約し、お着物でご参加いただく。
着付け教室「結彩舎」の設立。
あるいは、会員になっていただいた方への格安料金での着付け。
手入れは積極的にこちらから出向き、
お預かりさせていただいて検品しお手入れするというシステム
及び社員の育成。
お客様の箪笥代わりにしていただける、蔵の建築です。
場所は、お店から約二分の所に、
駐車場としてお貸ししていた土地がありましたので、そこに建築しました。
正倉院を模して造った、高床式の建物で、
中は、箪笥のようになっています。
トランクルームのように場所貸しするという感覚ではなく、
一枚、年間いくらと言うお預かりの仕方です。
一定の温度・湿度を保っており、完全防虫になっております。
ですから、蔵からの出し入れは、全て社員が行い、
受け渡しは店頭もしくはお届けもしくは宅配と言う方法を取っております。
ご希望の場所へお届けすると言うことです。
ご希望の場合には、お着付けできる社員が、お届けに伺い、
出張着付けも有料ではありますが、承っております。
当社でお買い上げ頂いたお着物だけでなく、
どこでお求めになられたお着物でもお預かりさせていただきます。
殆どの方が、留袖・訪問着・喪服・振袖など、
普段お召しにならないけれど、大切なお着物をお預けになっておられます。
全部で一万枚のお着物や帯・襦袢などをお預かりできるようになっております。
このところ、ホームページをご覧になって、都内の方からのご要望が多いのは、
住宅事情によるものかもしれません。
そして、この蔵の中のお着物の保管状況を管理しているのが、
やはり、コンピューターで、これは、NECと当社で共同開発したソフトがあり、
春の佳き日に一度に千枚のお着物を出庫しなくてはならなくても
対応できるようになっております。
また、最近では、スマホのアプリを使ってお客様との画像の共有を行い、
お召しいただく場面に合わせて、お着物選びのご提案もさせていただけます。
お手元に、もし、お悩みのお着物がお有りでしたら、一度ご相談ください。
お着物のご相談は、きもの蔵人みやもとまで