きものクリニック1
大切なきものや帯をいつまでも美しく着ていただくためには、適切な手入れが必要です。
また、いざという時に慌てないためにも汚れの点検も兼ねて手入れをしておきましょう。
◆ きものを着た後はどうすればよいの?
きものは脱いだら、きものハンガーに掛けて半日から一日
の間、風通しの良い日陰干しましょう。その後毛のやわら
かいブラシでさっとホコリを払います。そして、裾や襟の
汚れをベンジンで落とします。
汗をかいた場合は、ぬれタオルを二枚用意して、汗のつい
た部分を両側からたたくようにします。
◆ 帯や小物は使用した後はどうすればよいの?
帯や小物も汗を吸っていますので、きものと同様に干しま
しょう。
◆ 少し汚れがありますが?
軽い汚れはきもの用のベンジンを使い、柔らかいガーゼか
コットンで擦らないよう、軽く叩くように拭いて落としま
す。
◆ 醤油や口紅が付いてしまいました。
食べ汚しや化粧品などの油性の汚れは、応急措置として、
きれいなおしぼりかハンカチで摘み上げるようにして表面
の汚れを簡単に取り、早急に専門店へお手入れに出してく
ださい。
この場合も決して強く擦らないように。
◆ 汗をかきましたが。
汗じみも汚れです。汗はたんぱく質ですので長時間放置す
ると黄変し、いったん黄変したものは元に戻りません。
また、お茶や果物、野菜の汁はどにはタンニン酸が含まれ
ていて、これらが付着した場合も黄変します。
衣服の裏へ木綿布を敷き、汗じみ部分へ霧吹きをして乾い
たタオルで軽くたたき乾かします。
◆ お茶をこぼしてしましました。
ジュースやお茶などの水溶性の汚れは、きれいなおしぼり
かハンカチで摘み上げるようにして水分を取り、汚れの付
いた生地の下にティッシュペーパーなどの吸い取り効果の
あるものを敷き、上から濡らした布で軽く叩き落としま
す。
早急に専門店での手入れが必要です。
◆ 一週間以上きものハンガーに掛けていてもしわが取れないのですが・・・。
強くついたしわは何日かけていても元には戻りません。
専門店でプレスしてもらって下さい。
◆ アイロンをかける時の注意点を教えて下さい。
アイロンをかけるときは、アイロン台の上に平らにきもの
を広げ、洗いざらしの綿の白布か大判の白いハンカチを当
てます。
アイロンはなるべくスチームは避けてドライにし、軽く布
の目にそって動かします。縫い目や段差のある箇所、袖山
や肩山はアイロンが直接当たらないように浮かしてかけて
下さい。
※アイロンがけ充分な注意が必要です。心配な方は専門店
にお出し下さい。