『張り撚り式八丁撚糸機』というものをご存知でしょうか。八丁撚糸機(湿式で強撚りの糸を作る機械)」は、ご存知の方も多いかと思いますが、それとは別もので、現在国内では、もう数台しか動いていない珍しい撚糸機です。

先日、その『張り撚り式八丁撚糸機』を稼働している糸工房「森」さんを訪ねてきました。
森さんとは先日の「東京シルク展」のシンポジウムの際にお目に掛かり、こちらのご案内をいただきました。

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昭和37~8年頃から使われている撚糸機です。
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木製で、もう部品もこちらの倉庫に取ってあるだけで、ご主人がご自分で修理しながら大切に使われているそうです。使い込んだ照りが、ご主人がこの機械を大切に扱っていらしたことを物語っています。
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  この機械の40m先に ⇒ 走る人 ⇒ 走る人 ⇒ 走る人  ⇒ この駒が並んでいます
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今回は、27中の生糸を3本一緒にして撚りをかけていきます。 空中で3本を1本にします。
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その糸の先端を機会に結びつけ、40m先の駒にかけて往復・・・それを繰り返しながら機械に糸をセットしていきます(今回は、往復で80m、それを16往復)
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今回の撚糸は・・まず下撚りを左撚り200回転、それから2本合わせて右撚りに150回転の上撚りをかけます。
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その際に撚り縮みが出るので、微妙に前後しながら調整していきます。(機械の下に車とレールが付いています)特に上撚りは、最初の一瞬撚り戻りが起こり伸びるので、気をつけないといけないそうです。撚りの強さによっては80mが70m位まで短くなることもあるそうですよ叫び
 

撚り上がったら、16本(16往復)の糸を一本に繋ぎ、綛にします。
 

その際に活躍するのが「ヒコーキ」と呼ばれる道具です。空中に撚糸と平行に張った紐にぶら下がっていて、撚糸の末端をここに結び、先端から綛に巻き取っていきます。撚糸が巻き取られ滑車からはずれる際に、弛まないようにする工夫です。まるで飛行機のように空中を飛びながら行ったり来たりUFO左上矢印これはUFOですがべーっだ!
 

出来上った撚糸をルーペで見るとこんな感じです。


とても貴重なものを見せていただきました。目 ありがとうございましたニコニコ


【おまけ・・・】
細長い工房には、糸繰り機や組紐機他にもいろいろと置いてあります・・・が、今回これは“置いといて”にひひあせる
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こちらはよく見る湿式の八丁撚糸機。今は、あまり動かしていないそうです。




またこちらの工房では、むかし五日市で盛んに織られていた泥染めの絹織物「黒八丈」をよみがえらせたものを「五日市染」と名付けて展示・販売もしています。






                         
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