こんにちは。

「きものclub夏彩(ナツイロ)」 です

 

「着物文化エバンジェリスト(伝道師)※」

として活動していきます。

 

※エバンジェリスト(Evangelist)とは、

IT業界で専門的なことを中立的な立場で分かりやすく消費者に伝える職業です。

敷居が高そうな着物の世界をわかりやすくご紹介することで、

着物の先にある文化的魅力をお伝えします。

 

6月2日から5日間、石垣島へバカンスに行ってきました!

色々節目や祝い事があり、20年ぶりの沖縄。

飛行機に乗って旅行に行くことも約10年ぶり??

 

 

今回私が石垣島で行きたかった理由の1つが、

沖縄県の伝統工芸品である「八重山上布」と「ミンサー織」を学ぶこと。

現地の物は現地で見ることが1番リアルだからです。

 

着いて最初に行ったのが「石垣市織物事業協同組合」。

 

 

ガイドブックには載っていませんが、八重山上布と八重山ミンサー織の組合で、一般観光客も訪問できます。

念のため事前に電話をしてから伺いましたよ

 

 

 

キモノ好きにはたまらない素晴らしい場所でした!!

皆さんにもシェアしたいのですが、玄関から中はすべて撮影禁止なので、以下言文章で解説します。

 

1階には手機が数台設置されており、組合員(織り手)の方が実作業されています。

2階が展示室で、八重山上布とミンサー織の歴史や材料、工程、道具、染料など詳しく解説されています。

解説ビデオがわかりやすくて夫と2人で見入ってしまいました。

 

八重山上布とは…?

石垣島を中心とした八重山諸島で織られている麻の織物です。

植物で織る生地は、薄くてさらっとしていて、風を感じる夏にぴったりな着物です。

水の流れや鳥、生活の道具などを図案化した柄で、天然染料で染めた赤茶色が素朴なオシャレ着です。

 


こちらは購入したテーブルセンター

 

●歴史●

1609年に琉球王国の支配下に置かれ、1937年から人頭税として15歳から50歳の女性に課せられた貢納布でした。

つまり、納税の品だったのです。


女性は昼は畑で働き、夜は上布を織り納税するという過酷な状況で美しい織布が完成されてきました。

この人頭税は明治36年(1903年)まで続き、その後は一時発展したものの類似品が出回り業界は不振となり、戦後は製糖、パイン産業に押されながらなんとか受け継がれ、平成元年(1989年)に伝統工芸品に認可されました。

苦難の中継承されてきたのですね。

 

●原料●

布の原料は「苧麻(ちょま)」という麻の一種。

約40日で成長するので、収穫後茎の皮をむき、その内側の繊維を取り繊維をよったりつないだりして糸を作ります(=苧績み・うづみ)。さらりとした爽やかな着心地は植物の糸ならでは。

…とは言え、糸を作ること自体がなかなか大変。



パンフレットから写真をいただきました

 

苧麻の原料不足で、

◎経糸にラミー糸(機械紡績の麻糸)を使用している「八重山上布」

◎経糸緯糸両方を苧麻を使っているものは「八重山本上布」

と分けて呼ばれています。

 

染料は100%天然素材。クール(紅露・ソメイモ)という石垣島と西表島にしか生えていない芋で赤茶の色を出します。

他にも藍やフクギというマングローブの木の皮なども使われます。

 

●染め●

くくり染めと捺染の2つの方法で織る前に先に染めます。

くくり染めは、図案に合わせて色を付けたくない部分にビニールひもを縛って染めます。

捺染は経糸(たて糸)を張って図案に合わせて部分的に塗っていきます。

どちらの場合もその前に整経や巻き取りの作業があります。

 

●工程の多い織物●

綜絖(たて糸張り)など糸を整える工程を経て、ようやく織りまでたどりつきます。

苧麻の糸は乾燥すると切れやすいので、湿らせながら織っていきます。

その後色をより鮮やかにするため「海さらし」をするのが八重山上布の特徴でしたが、今はほとんど海で晒さなくなりました。

最後に干して杵で布を叩いて、生地をしなやかに仕上げます。

・・・・・・・・・・・

 

アツく語ってしまい、すみません(汗)

 

このような気が遠くなるような工程を、1人で最初から最後まで行っています。

分業じゃないので覚えることもいっぱい!

現在八重山上布を織れる方は15名位だそうです。


年齢も様々ですが、若い世代は家事や育児でまとまった時間を取るのが難しく、年齢が上がると年1本の生産の方もいらっしゃるし、育児が一段落して、元気で集中して織れる人材は半分くらいかな…とのことでした。

 

1階で作業中の織り手の方と1時間もお話することができました。

この日は

・八重山上布の反物を織る人、

・上布の帯を織る人、

・ミンサー織の帯を織る人

の3名がいらっしゃいました。

 

 

帯は鮮やかな黄緑とのような緑で、

「それ、予約させてください!」

と声が出そうになる程美しい織物でした。

 

この日織っていた上布にも緑が少し使われていて、緑にすこーし黄色のグラデーションになっているのがステキでした。

青(藍)と黄色(フクギ)の染料を混ぜると、黄色の方が染料の粒子が細かいので先に染まり、黄色が見えるそうです。

ネットで上布の写真を見ると、クール(紅露)の赤茶色や藍の濃紺色がほとんど。

緑や黄色の色彩もあるんだ!と驚きです。

 

ミンサー織をされていた織り手の方は、本州から移住してこられたミンサー織歴2年目の若い方。

会社を退職して織物講習を受け活躍中です。

 

様々な糸を使って解説してくださり、お土産にもらってきました♪

将来的には上布の講習も受けて、上布を織ってみたいとのこと。

 

こうして織り手の育成にも力を入れています。

 

織り手不足なのも課題だそうですが、

やはり上布の原料不足が深刻だそうで…。

 

以前は苧麻を育てたおばぁが自分で糸を黙々と績んで納品してくれていたそうですが、

今は育てる方が減り、組合の方々やボランティアで苧麻を育てたり、一般の方向けに苧績み講習会もされているそうです。

 

もうすぐ定年退職を迎える夫と半分本気で

「苧麻栽培に移住しようか?!」

と話していました。

 

 

それにしても、生地が天女の羽衣のようにステキで・・・♡

販売コーナーで反物を見たい!と思ったのですが、残念ながら反物は置いてなくて。

それほど希少なのです。

 

残念がっていたら、

「あざみ屋さんにあるかもしれませんよ」

とそっと教えてくださいました!(やった!)

 

というわけで、その足でミンサー織工芸館を併設している(株)あざみ屋さんに向かいました♪

 


次回に続きます…→



 

レッスンの特長

◇いつでも安全、安心のプライベートレッスン。

◇2時間x5回で、どこへでも出かけられる名古屋帯が結べます

◇販売斡旋はございません

◇受講方法は、対面/オンライン/ハイブリッド(両方)の3つの方法
◇レッスン内容はコチラをご覧ください

 

 

 

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