③滋賀喜という帯屋



 3つ目は「滋賀喜」という京都西陣の帯屋さんについておしゃべりしようと思います。


ちなみに西陣ラベル55番です。



 龍村、北村武資の袋帯の事は知っている人もかなり多いのではないかと


思います。


 しかし、滋賀喜の袋帯は、作り手が作家ではなく熟練した職人さんなので


作者の名前が前面に出ることはありませんし、


 どこの呉服屋にでも置いてあるという帯ではないので、


あまり有名ではありません。


ただ、通の着物好きの間には根強く人気のある袋帯です。




 3年ほど前のことですが、特別に工房を見学させてもらったことが


ありました。


~よくある、着物販売目的の見学コースに便乗したのではありませんよ。~




 友人と二人で工房に入って丁寧な説明を受けましたが、


そこには、大変ショックな光景がありました。


工房の中は、旗を織る軽やかな音が鳴り響いていましたが、


10数台ある旗機のうち、動いているのはたった4台だけだったのです。




 どうして?こんなに素晴らしい帯を?もっと、市場に出せないの!!!


その理由は、


1、手織りの帯だけしか作ってないので量産ができない。


2、手織りで繊細な文様を織りあげる技を持った職人さんが少なくなっている。


3、機械で量産した帯に押されている。


というような事だったと思います。




 数多い西陣の帯屋の中でも、最後まで手織りにこだわって、手織りしか作ってない帯屋は


今では滋賀喜だけだと思います。(おそらく)




 私は、物作りにこだわる職人さんが、安心して本物を追及できる


そんな日本であって欲しいと願って止みませんでした。


  


 販売目的の西陣の工場見学には、ほかに数回行ったことがありますが、


機会が騒々しく音を立てて動いている中、


従業員は不都合がないように見ているだけで、


勝手に次から次にと帯を量産していました。




 そして、見学の後の恐怖の販売会!


「今日は、あなたたちに特別に安く販売してあげます。」


という言葉をうのみにして、


皆、硬くて〆にくい帯に群がっていました。


 「買っちゃあ駄目!」と、私は言えなかった。


無料で着付けを習っていたから・・・


  


 よくお似合いだとか、お買い得だとか言われて着物でも帯でも


欲しいと思った時、値段が本当に妥当なものか?


冷静に自分自身の考えで判断した方がいいと思います。


 その為には、信頼のおける呉服屋さんに足繁く通って目を肥やす


ことしかないと思います。


まともな呉服屋さんは、無理に買わせることが、結局、着物離れにつながるのだ


ということを知っているので無理に売りつけません。


知識も豊富で、大変親切です。




 滋賀喜の袋帯の画像を次回にはアップします。


純金、プラチナを繊維にして、織りこんでいる礼装用の袋帯が多く、


  しなやかで、豪華で、しかも、大変、品がいいです。


多色使いの加賀友禅にも、色とりどりの紅型訪問着にでも


色無地でも、不思議に着物を引き立ててくれる不思議な帯です。




明日から、金沢に旅行します。加賀友禅!見れるかな?


ブログは来週までお休みします。