『愛がないのならあの子から
きっちり手を引きな。
手前の下の世話させるぐれえの
覚悟がなけりゃね 』
タムラのオババの言葉からですが。
いやね、ふと思い出して。
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じいちゃんは、くそじじいだったわけだ。
しょっちゅう火種を、ばらまいてた。
いさかいの。
相手はおもにかあちゃん。
つまり、じいちゃんからみて、
息子の嫁だ。
あるとき、
怒鳴りあいが、また、はじまった・・・
原因はわからない。
いや、わかりすぎて、特定できない。
だがね、じいちゃん言うんだ。
でかい声で。
「家族は仲良く!」
はぁ?
かあちゃんは言う。
「おら、わりいけど一緒にはいかんねぇ。
あのヒトのさぁ、めんどうしたりらとか、
廊下汚したあとらとか、
そんがんの、始末したりすんのは、
そんげに苦らとは思わんかった。
あのヒトの業みてえなもんらすけ、
それが、ねえなったら、あのひとらねえすけ。
そお思てさぁ・・・」
認知症が進み、徘徊をはじめとする
問題行動をおこすようになり、
通院、入院、寝たきりとなり、
今は酸素マスクをつけているじいちゃん。
かあちゃんは、介護を続けてきていた。
ずっとみてきたわけじゃないけど、
大変じゃないわけがない。
喧嘩してきた相手の下の世話・・・
すげえよ!
かあちゃん。
「だぁすけさぁ、おら、わぁりいろも、
あのヒトのそんげんなったすがた、
とってもじゃねぇ、せつなくって、
みいらんねぇやぁ・・・」
・・・と、かあちゃんは、一緒に行こう
という、誘いを断った。
しかしよ。
すげえぜ!
わが道を行って、わが道を行ったきり
帰って来ねぇ。
そいで、そいつを、とうとう認めさせちまう。
かっちょいいぜ!じいちゃん!
じいちゃんよぉ。
つまるとこ、愛、ってことかい。
おおざっぱなのは、ウチの家系だよな。
もちょっとつづくで。