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この写真は舞台「椿姫」の舞台裏で撮った一枚、私はアルマンの親友、ギュスターブ役で出演したときのもの。
この「椿姫」と言う作品は美輪明宏さんが主演・演出などすべてを手掛けたまさに美輪ワールド。
美輪さんの美意識が散りばめられた素晴らしい舞台でした。
美輪さんと稽古から本番までご一緒させていただくと、美輪さんの美に対する姿勢、我々が忘れてしまった日本語の美しさは尊敬に値する。
そんな美輪さんのお話の中に時々出てくる「中原淳一さん」と言う方がいる。
人形作家、ファションデザイナー、イラストレイター、雑誌編集長など多彩な才能を持った人、美意識の塊のような人で、私も大好きな芸術家です。
きゃりー・ぱみゅぱみゅが、世界に発信している「かわいい」と言う言葉は、中原淳一さんから生まれた。
彼のエッセイ集や作品を見ていると、美に対する姿勢が本当に豊かで、こちらまで幸せな気分にさせる。(本当にかわいい)
彼が活躍されたのは戦後間もないころの日本、殺伐とした中でモノはなくても、工夫と考え方次第でお洒落や華やかな環境に自分を置くことが出来ることを発信続けた人。
何気ない日々の生活をそのままにしないで、工夫を凝らして生き方、暮らし方の質を上げる。
リンゴ箱に外国の新聞や写真を張り付けるだけでかわいい棚に変身させたり、食事をする部屋を時々変えるだけで生活に彩りが生まれるなどなど。
そういったことを具体的に、本当に優しい言葉で語っている。
美しいものには出来るだけふれるようにしましょう。
美しいものにふれることであなたも美しさを増しているのですから。
中原淳一
美輪さんは舞台に上がる我々にいつも言っていたことがあります。
普段の生活がすべて舞台に現れる。
何を食べ、どんな音楽を聴いているのか
そしてどんな人たちと触れているのかがはっきり見えてしまう。
舞台とはそういう場所。
衣装を身に着け、化粧で化け、役になりきっていても嘘がばれる世界。
舞台はすべて嘘の世界、その嘘の世界は嘘が通用しない。
だからこそ俳優は命懸けでやる、そこにしか真実は表現されないことを知っているから。
私は思う、自分を発信する人間は間違えてもいいから嘘はつくな。
もし嘘をついていると思うなら発信はやめろ。
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