MDM-1 FOXフルモールド化(その3)ゲルコート樹脂選定の前書き
型枠に取り付ける前に、原型にはワックス処理をしておきます。昨日最後に使った主翼の写真なのですが、よくみたらコンパウンド処理後のワックスがけを行っていた時のモノで、全体に白いもの(ワックス)が付着していたかと思います、失礼しました。
ワックスがけですが、塗ってから半日ほど放置乾燥させ、ウェスでふき取る、この作業を5回行いました。2回目ぐらいからふき取る時の指で感じる抵抗感が少なくなってきましたので、そこに3回追加したというあまり根拠のない判断です。つまり、判ったことは最低2回は必要かな?ってな感じです。
さてこれからが核心に迫る本題が始まります。
ゲルコートによる原型表面がアタックされてしまう問題をどうやって解決するの?というお題目でして、じつはこれを書いている現在でも解決していません。つまり今回の製作仕様は当初の目的を達成できなかった訳なのですが、一方で「転んでもタダでは起きない」的精神でとにかく何とか形にはしました。という状態で、同時に失敗したからこそ得られたノウハウは盛りだくさんという結果です。ですので読者の皆様におかれましては、そういった視点でこれから公開する数々の結果を暖かく見守って頂けると嬉しいです。
最初は本日のお題目にもある「ゲルコート樹脂の選定」になります。昨年の胴体型製作もそうでしたし、その前のKa6Eの成型型でも原型の表面に微細なひび割れが入り、それが型に転写されるという問題で、当然製品の表面も原型と全く同じ表面状態となってしまいます。せっかくピカピカに磨き上げた原型もこうなってはどうしようもありませんね。
これが問題の無い製品面状態でして、
こちらがダメな箇所です。
写真だとよくわかんないですね~。またどうした訳か、まったく発生しない箇所もあるんです。何が起点になっているのか?原因が判らないという事が一番困ります。
という背景から、いずれにしてもゲルコートと原型に施した自動車用ポリウレタン塗料との相性が悪いのは間違いないのでどちらかを何とかしないといけない訳です。ただ困ったことにポリウレタン塗料はこういった用途向けには設計されていないハズで、本来の紫外線アタックを含む耐候性を主眼におかれているはずです。ですのでこの用途なら、耐紫外線能力は?であっても、耐薬品性の優れたエポキシ系塗料の方が向いているかも知れませんがエポキシ系の塗料なんて使った事もなく、ゲルコートも同時に変えたらそれこそドツボにハマってしまう状況になりかねないので、まずはポリウレタンはそのままで、ゲルコートを何とかしようと思っていたら、スチロール樹脂用ポリエステル樹脂が有る事に気づいた次第で、発泡スチロールが大丈夫なら、ポリウレタンなら楽勝だよね?という安易な発想です。この樹脂は一般的なスチレンモノマーの溶剤をアルコールに置き換えたものとメーカーさんは謳っています。試しに手元に有るスチレンモノマー原液をポリウレタン塗膜に塗布したところ確かに曇り現象が出て、擦っても取れませんでした。一方スチロール樹脂用溶剤を塗布したところ全く問題は出ませんでした。ただ問題も有って、粘性が高い、つまり塗布しても塗りにくいばかりでなく一旦抱き込んだ気泡は抜けにくいという事なんですね。一般的なポリエステル樹脂のゲルコートだと、塗布時の樹脂の粘性は低く、気泡は当然樹脂よりも軽いので浮き上がってきます。そのうち硬化が進むにつれて粘度が上がり、気泡は上層部に集中して残り、下層部である原型表面部には気泡が残りにくいという構図となる訳です。
以上の長々した状況からスチロール樹脂用ポリエステル樹脂の簡易的な実験を行う事にしました。
今回は写真も少なく、更につまらない画像にもかかわらず最後まで読んで頂きありがとうございました。
続きます。

