社会人になって2年目のころ。

東京出張からの帰りは、新幹線の窓から京都タワーが見えたときが、
仕事が終わったと実感できる瞬間だった。

大きくひとつ息を吐いて席を立ち、
徐行を始めた新幹線の通路を歩き始める。

京都駅で降車後、大阪支社に電話を入れる。

「今からですか?戻るか、カス」

かような内容を丁寧な言葉に置き換え、高らかに直帰宣言。

在来線に乗り換え、最寄りの駅についたとき、
タイミングよく自分の携帯が鳴り始めた。

携帯を片手にタクシーの後部座席に身を滑らせ、
行き先を告げる。

「今から?もう電車ないよ」

交通機関の終了を大袈裟に残念がる向こう側の声に、
ネクタイと表情を緩めて応えたあと、

通話口に軽くてのひらを添え、
前かがみの姿勢で運転席に小さく話しかける。

ふたたび後部座席に深く座りなおしたぼくは、
かわりに今からたくさん話そうと、
腰を入れて話し始めた。

途中、運転席との手話でのやり取りを数度経て、
タクシーはぼくのお願いした通りの場所に停車。
後部座席のドアが開く。

当時は遠距離割引などなかったので、
財布から旅立つなかなか万円の諭吉さんたちを
涙目で見送ったあと、
ぼくは、「行くか、カス」のはずだった大阪にある
彼女の住むマンションの前に立った。

ここまで、水も漏らさぬ一分の隙もない任務の遂行だったが、
唯一の誤算は、ぼくがオートロックの番号を覚えていなかったこと。

今思い出しても、このことが悔やまれるし、
以来、ぼくは何に限らず数字は一回で覚えるようにしています。
ウソやけど。

本日ランチを食べながら、今はもうすることはないであろう
若かりし日のこそばゆい話しを、
前フリのためにと、時間をかけてさえずったあと、
ぼくは白々しく姿勢を正して椅子に座り直し、対面に座る同級生に、

残念ながら、ぼくはこの話を今につなぐことは叶わなかったけど、
ひるがえって、きみはきみの寸暇を惜しんで会いたくて焦がれた
ひとと、以来15年の月日を毎日ともに過ごせているなんて、

「じつに羨ましい」(福山ガリレオ風)

真心を込めた笑顔で、そう告げたところ、
すごい勢いで、ぼくの顔におしぼりが飛んできました。

結婚って、不思議やね。きゃっきゃっきゃっきゃっ♪

以上、3キロ痩せたよの巻き、でした。



今日は、久しぶりに朝からジョギングをしてきました。
ようやく、右すねの具合も良くなったので、
気持ちよく走ることができました。

花鳥風月を愛でるタイプとは言い難いのですが、
日が昇る少し前に川沿いを走っていると、
雲ひとつない空の色を映した水面の青がとても色濃く鮮やかで、

思わず足を止め、自宅にいる妻に、

「今からきみも出ておいで」

そう電話をしてしまうほど、
独り占めをするには手に余る景色でした。

と、自分の吐き出す息が再び耳に響いてきたのを合図に、
ひと知れず妄想の世界からログアウト。

副隊長42歳(♂)妻帯どころか、彼女すらいない
容赦のないリアル世界へ無事ログインをし直し、
涙目を他のジョガーたちに悟られないよう、
日が昇るまで走り続けたわけです。

もう季節は秋。

私ごとですが、暑い夏にめげることなく
時間を見つけてトレーニングに励んだおかげで、
10kgの増量に成功しました。

見事、動けるデブの完成です。

186cm89kg。

街並みを歩いていたとき、ガラス窓に映る自分のシルエットは、
カバあるいは、若干のゾウアザラシ臭を帯びていたことを
自己申告しておきたいと思います。

しかしながら、けっして怠惰な生活ゆえに
無意識にゾウアザラシと成り果てたわけではく、

「恋すらままならない42歳おっさんの寂しい夏」

常時は、京都中のエレガンスを散りばめたような
素敵すぎる、若々しいぴちぴちバディのフォルムを、

わが身を表すこの字面に寄せるための意図的な増量。
つまりは役作りのために、あえて太った。
そう言うことです。

数日前にチャットで、
「少々太りましてね、わたし・・・てへへ」
というお話をしているとき、

どれくらい肥えたのかという問いに対し、

「8kg太った」

なんて、最初に打った「10」の数字をbackspaceキーを
ささっと二度押し直し、「8」に差し替え2キロのサバを読んだ
粉飾決算を発表するというスキャンダルを起こしました。

「女子か!」

もちろん、あちらにけっして届かないように注意して、
ささやかにセルフでそうつっこみはしましたが、
これはけっしてウソ、虚言の類ではありません。

「人間というのは、弱く儚い生き物である。
 だからこそ、人間は愛おしい、愛すべき存在である」

古の偉大な鉄人、アリストテレスがそう言っていました。
知らんけど・・・。

ついでですから、ナポレオンもベートーベンも、
同じことを言っていたことにしておきましょう。

そういう弱さ、儚さは誰もが持ち合わせているはずです。

誰しもに、他人に良く思われたいと言う気持ちがあるように、
ぼくにも同じ習性が備わっておるわけです。

まして、相手がきれいなひとなら、なおさら良く思われたいのは
当たり前のことで、避難すべき理由などまったく存在しないわけです。

ついつい10→8に変えてしまう。

この程度の改ざんは、誤差の範囲内どころか、
単純にぼく副隊長の人間らしさ、愛らしさ、可愛さの三重奏が
心地よい旋律をかなで炸裂した。
それだけのことに過ぎないわけです。

そして昨夜。

アルバイトの女子大生が空手経験者ということだったので、
おもむろに椅子から立ち上がり、カウンターに両手をついて
お尻を突き出し、ローキックをおねだりしました。

途中、足先が空気を切り裂く「しゅー」という、
お遊びのキックでは聞こえてはいけない音が聞こえたような気がして、
震えあがりながらも中腰の姿勢を崩さず命中を待ち、
事前に用意されていた台本通り、

「気持ちいいーー!もっとちょうだい♪」

おかわりを欲しがるドMの変態おっさんという難しい役どころを
見事に演じきったり、いつものように酩酊を楽しんでいました。

何度目かのおかわりを経て(ローキックではない)、
酒の肴は、女性の口説きかた、

その話題で沸騰していました。

その場にいたおのおのがおのおの思うことを吐露していましたが、
ぼく個人は、口説くという意味がいまだに理解できません。


好きになった、口説きたいと思った相手の前に立ったときに、
今更できることは何もないし、何をしたところでさして無意味で、

そこに立つまで、出会うまでに自分が何を思い、感じ、考え、
そして、何を大切にして生きてきたか。

そういう言葉ではないところを、見透かし合う。
色恋の盆の上とは、そういう場所ではないでしょうか。

ですから、自分がそのひとに適う生き方をしてきたのなら、
耳障りの良い言葉などさえずらなくても、
ただ横にいるだけでいいはずです。
見たかった笑顔で返してくれるはずです。

ぼくは、そういう考え方です。

店を出て、友人と別れたあと、
自分の言った言葉を思い返しながら、歩いていました。

今夜はこのまま歩いて帰ろう。
そう思いました。

家に着き、寝る前にPCを立ちあげ、
お気に入りのブロガーさんの更新をチェックしました。

「楽な仕事をしていたい。
 でもね、楽に、ぼんやりと過ごしていると、
 僕の好きなjazzは、僕の心には響いてこないのです…。」

文末のこのセンテンスを読んで、
朝起きたら走ろう、そう思いました。

激辛料理を紹介するテレビを観ていると、
目の下にうっすらと汗が浮かぶことがあります。

女子サッカー、なでしこジャパンの試合を観ると、
そのあとしばらくの間、背の高い女性が苦手になります。

オリンピックやワールドカップなどの場合は、
勝ち進むと大会期間中、継続して試合を観戦することになります。

ドイツやアメリカなどの強豪国との試合になると、
とにかく、相手選手がやたらとでかい。

ですから、ボールを奪い合うとき、
大柄な外国人選手に、かわいいサイズのなでしこが
弾き飛ばされるシーンを何度も観ることになります。

その余韻が尾を引き、自分の身の周りにいる大柄な女性も
意地悪なひとに感じてしまうみたいです。

9月の後半から、ラグビー・ワールドカップを観ています。
日本代表は事前の宣言通り、「世界を驚かせる」素晴らしい戦いを
有言実行してくれました。

もちろん、日本以外の試合も観ています。

その状態で先週のサッカーの予選を観ていると、
サッカー選手のスリムさに、普段感じない違和感を覚えました。

もちろん、サッカー選手の身体能力が劣っているわけでも、
サボっているわけでもありません。

持久力重視と瞬発力重視。

競技性の違いをあらためて感じた次第です。

ちなみに、ラグビー日本代表のワールドカップは、
残念ながら今日で終わってしまいましたが、
次週から決勝トーナメントが始まります。

「ラグビーは、日本代表なのに外国人が多過ぎる」

そういう批判を耳にすることがあります。

ぼくは、この類の批判に対する反論はとくにありません。

違和感を感じるのも、外国人選手が大きな声で「君が代」を歌い、
日本のために懸命に戦ってくれている姿に感銘を覚えるのも、
ひとそれぞれの感性の違いで、
善悪や優劣を決める問題ではないように思います。

ぼくなど、ティア1に属する国でも、特に、
ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカのビッグ3、
この三カ国の試合を観ていると、

外国人どころか、エステ業界全面バックアップのもと、
全身脱毛ですっきり身じまいを整えたあと、
「無口で多少毛深い日本人」
と言い張って、ゴリラを試合に出すしかない。

そういう先進的な考えに至るタイプですから、
外国人云々には、疑問を持ったことすらありません。

ということで気が向いたら、
決勝トーナメント観て下さい。

ぼくがゴリラの投入も検討すべき、
そう考えるのも、理解できると思います。

※ティア(tier)は、段とか階層という意味で、
ティア1は、イングランド、スコットランド、ニュージーランド、
オーストラリア、南アフリカなどの強豪10カ国で、
日本はティア2です。
二日続けてブログを更新するのは、
もう何年ぶりでしょうか。

でも、書かせて下さい。

ラグビー日本代表勝ちましたやんか、南アフリカに。
34-32大番狂わせですやんか!

事前に専門家が、
世界3位と世界13位ですから、普通なら40~50点差。
20点差くらいで日本が1トライでも取れたら大健闘、
そう言ってました。ぼくもその心づもりで見ていました。

でも、前半を10-12の2点差で折り返す。

ぼくは、スピードに乗って突っ込んでくる2mの南アの選手に、
日本の選手が二人がかりでタックルに行く。
その姿を見ているだけで、もう涙線が危なかったです。

そして後半。

前半は、良い位置で反則をもらってもペナルティゴール(PG)ではなく、
あくまで強気にトライを狙いにいっていた南アが、
確実にPGを狙い始めたのを見て、

「(日本・・・追い詰めてるやん、頑張ってるやん)」

でも、日本が五郎丸選手のPGで追いつくと、南アがトライで
突き放し、どうしても逆転までは届かない。

そんな展開が続きました。

開催地はイギリスです。

日本から来た熱心なサポーターの皆さんのニッポンコールは、
前半から聞こえていましたけど、

後半になると、イギリス人サポーターの皆さんからの、
大きな「JAPAN!」コールが聞こえるようになりました。

ぼくも、目を充血させながら、三人目の日本代表として、
南アの選手にタックルをしているつもりで応援していたのは、
言わずもがなです。

そして、後半38分終了間際。29-32のスコアで、
日本がじわじわと南アの陣地深くまで
攻め込んだところで、南アの反則です。

ここで、ペナルティゴールを選んで決まれば、同点になったのですが、
日本はPGを選ばず、最後の最後でリスクをテイクしてトライでの逆転、
引きわけではなく、あくまでも勝ちにいく作戦発動です。

これで失敗して負けたとしても、ぼくは十二分に満足。
そう思って見守ってました。

で、最後はヘスケス選手が見事逆転のトライを決め、
34-32で日本代表が南アを破る大金星。

この瞬間、ぼくがどうなっていたのかは、
お恥ずかしい限りなので言いませんけど、
後半になって疲れるほどフィジカルの差が効いてくるのは、
ラグビーの常だと思います。

もちろん、体格に劣る日本が不利です。

でも、日本代表は、最後の逆転トライにつながる攻撃を
審判の笛が鳴らないように反則を犯さず、そして、休むことなく
19回も連続でつなげたわけです。


この人達は、今日ここに立つまでに、
いったいどれだけの練習に耐えてきたんやろう・・・。

今日の試合は、色んな意味で観れて幸せでした。
日本代表の皆さん、本当にありがとうございました。

最後に、この試合のMVPは、
新聞に載ることはありませんが、三人目のタックラーである
ぼく、副隊長であることは疑いようがないと思います。

ハーフタイムに、同じく観戦していた友人から、

「観てる?鳥肌立ってる!」

とのメールが着ましたが、

「乳首も立ってる?」

通常なら、間違いなくこう返信するところを、
自重してシモネタを控えた返事にしたことも、
ぼくの隠れたファインプレイであったと付け加えて、
今回の締めにさせていただきたいと思います。


先日ブログに書きましたが、
ぼくが愛読している京都新聞。

昨夜の安保法案の参議院通過を受けて、
たいそうご立腹の模様です。

今日の朝刊は、一般紙の装いを清々しいくらいに脱ぎ棄て、
完全に左翼の宣伝ビラになってました。怖いよ。

ぼくもテレビをチラ見していましたけど、
強行に映らないようにと、ひたすら気を使い続ける自民党。
自分の意見が通らないと、ダダをこねて暴れる野党。

本当に選挙に行くひとたちにどう見られる、思われるか。

このあたりを冷静に分析して対応する自民党は、
とてもしたたかやし、見事にずる賢いと感心したり、

思想は違うけど、お酒を飲んで楽しいのは、
意外と野党のひとたちかも、なんて色々思った次第です。

本題はこちら。
ラグビーのワールドカップが始まりました。

今の日本代表は、どうやら過去最強らしいです。

しかし初戦の相手である南アフリカ・・・サッカーでいうなら、
日本がいきなりブラジルあるいはスペインと
ぶつかることになった・・・クジ運わるっ。

そういう感じだと思います。


身長190越え、体重120kgの体格で100mを10秒台で走る。
そんなフィジカルのバケモノたちが、
相手のタックルを弾き飛ばし、ときには引きずりながら
突進する姿は、ルールを知らなくても楽しめると思います。

ぼくなど、体格で劣る日本の選手たちが肩を組んで、
大きな外国の選手に立ち向かう姿。

その姿勢を見るだけでお恥ずかしい話ですが、
いつも胸が熱くなります。

言葉にするともっと恥ずかしいですけど、勇気。
そういうことだと思います。

今夜24:00から日本の初戦です。
よかったら、一緒に応援しましょう。