2022年胃の病気・多発性ポリープと逆流性食道炎、食道カンジダが増加しているのは？PPIの副作用

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胃酸を抑える薬を飲んでいます。

胃カメラの検査をする前に問診をしていると、

こう答えるかたは沢山います。

日本人の胃の病気は、薬の普及によって大きく変化しました。

胃潰瘍による穿孔（胃に孔が開くこと）は減り、

ピロリ菌による胃がんも減少し、

その代わりに増えた病気も出てきました。

20年前とは全然違う

胃カメラの検査に入る度に感じることです。

胃の病気を予防するためにはどんなことに気を付けていけばいいのだろう？

気になるところですよね。

本日は、2022年最初の「胃」にまつわるお話。

近年の疾病の傾向をまとめてみたいと思います。

2022年胃の病気・多発性ポリープと逆流性食道炎、食道カンジダが増加しているのは？PPIの副作用

 お正月主婦マラソン、頑張ります😅

胃薬が病気を変えた

胃酸の分泌を抑える薬が開発されるまえは、胃潰瘍の進行によって胃の壁に孔があく「胃穿孔」という患者さんが

よく救急車で運ばれてきました。

しかし、制酸剤と呼ばれる薬が発売されてから胃の疾病は変わっていきました。

胃酸の分泌を抑える薬には、薬局でも購入出来るH2ブロッカー（ガスターなど）、

医師の処方箋が必要なプロトンポンプ阻害薬PPI（タケプロンなど）があります。

このうちPPIは強力な胃酸分泌抑制効果があるため現在世界中で最も多く使われている薬のひとつになります。

しかし、最近このPPIの副作用について取り上げられることが多くなってきました。

長期服用による副作用が報告されていますが、腸管感染症、肺炎、骨折、腎障害、認知症と

多岐にわたる関連性に注目が集まっています。

『胃酸を抑える薬PPIの長期服用は2型糖尿病のリスクを高める「薬の正しい使い方」タケプロンの副作用』

またピロリ菌除菌の普及によっても胃の病気は変化しています。

除菌後の逆流性食道炎が増えていますが、

これはなぜ？

ピロリ菌による慢性胃炎があるときは胃酸の逆流が気にならなかったのですが、

胃酸が正常化すると気になるようになるためです。

『ピロリ菌除菌したら逆流性食道炎に！「バレット食道が食道がんのリスクに」胸やけを放置してはダメ』

増える胃底腺ポリープ

1日8件胃カメラを行うと、その中の3人くらいに

「胃底腺ポリープ」が発見されます。

胃底腺ポリープとは、胃粘膜と同じような色調をする

2､3ミリの小さなポリープで、

胃の中に複数みられることがあります。

ピロリ菌が陰性のきれいな胃に発生します。

下水環境の整備によってピロリ菌陽性率が減少したため若い世代に多いのが特徴です。

逆流性食道炎などでプロトンポンプ阻害薬PPIを服用するとポリープが腫大したり数が増加するという報告があります。

基本的には良性腫瘍なので切除不要です（少数例ですが胃底腺ポリープからがん発症例の報告があります）。

日本消化器内視鏡学会より

バレット食道が食道がん増加の原因

ピロリ菌除菌が普及したため逆流性食道炎が増加傾向にあるといわれています。

この逆流性食道炎と関連するのが「バレット食道」です。

聞き慣れない病名ですよね。

食道の粘膜は扁平上皮、

胃や腸は円柱上皮という粘膜で覆われています。

逆流性食道炎などを繰り返すと、食道の扁平上皮が障害され胃と同じ円柱上皮に置き換えられます。

この状態をバレット食道と呼びます。

日本消化器内視鏡学会より

欧米では、バレット食道のある人は健常者と比較して食道がんの発生が30〜125倍高いと言われています。

またここ２５年でバレット食道からの発がんは

6倍以上増加しているという報告もあります。

逆流性食道炎、バレット食道、バレット食道がんへと移行するケースが多発しているようです。

胃の健康を守るために胃粘液の分泌をコントロール

胃の病気は様々ありますが健康な胃を保つために大切なものは、

「胃粘液」の分泌を正常に保つことが必要です。

胃酸ではなくて胃粘液？

胃粘液とはどのようなものなのでしょうか？

　胃粘液とは、胃粘膜の表面をおおい潤滑性を与えます。胃酸による粘膜損傷を防ぎます。

　胃粘液は食べ物を包んで混和し、食べ物の移動をスムーズにします。

　胃粘液中の腺粘液は、ヘリコバクターピロリ菌に対して抗菌作用をもち菌が胃腺内へ浸入するのを阻止します。

　炎症やがんを抑制し胃の健康を守ります。

胃炎や潰瘍予防に大切な胃粘液。

この粘液が胃を胃酸から守ってくれるのです。

あ〜、長くなりました。

胃粘液についてはまた次回詳しくまとめることにしましょう。

お正月は私が皆様に最もお伝えしたい胃腸テーマでいきたいと思います。

明日は腸バージョンね

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本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

NRサプリメントアドバイザー
胃腸良子