映画はアクション物で、迫力あるCGはさすがだなっておもう。


ヤローだけで、何で映画なんて・・っておもったけれど、これはこれで面白かった。




とはいっても、僕の中にはストーリーの3分の1も頭に入らなかったんだけど。




またあの子が、この映画が終わったら出口にいるかもしれない。



そう考えると、まだ続いている映画を前にして一人ソワソワする僕は単純だよね。




2時間弱の映画を観終える頃には時刻は午後の9時を回っていた。




「や~なかなか面白かったな!」「あの場面がさー」なんてタカシとコウの会話を軽く聞き流しながら、僕の意識は出口に向かっていた。




「ありがとうございましたー。」




期待通り予想通り、あの子の姿が目に入り、自然と嬉しくなる。



出口で挨拶をしながら、ポップコーンの残りやらジュースのカップなどを受け取っては大きなゴミ箱に捨てていく彼女。


僕も流れに乗ってジュースのカップを手渡す。



「ありがとうございました。偶然ですね。」


「ん・・、ここでバイトしてるの?」


「うん。週5くらい。今日は遅番なの。」


そう言いながら、出口から少し離れ小声で話しかけてくる。



「あの、この前はありがとう。迷惑かけちゃってごめんなさい。」


「あー・・気にしなくていいよ、ほんと。」


「ありがと。」



そう言って微笑む彼女の笑顔は相変わらずだった。



「今度また遊びに行きます!雑貨屋さんに♪」



そう言って、また仕事に戻る彼女を見送ると後ろの方で僕を呼ぶ声がした。



「ヒロキー置いてくぞ。」



「ごめん。」




ほんの1分足らずの会話だったけれど、彼女が元気そうで安心した。




社交辞令かもしれない言葉でも、嬉しいなんておもってしまう。



やっぱり単純な俺・・。









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