海外の出版社が販売する電子書籍は、海外の出版社のサイト上にアクセスすることで成り立つ。

 

商業用電子図書館は、それとは異なる。

海外の例で言えば,EBSCO NetLibrary が代表的で、販売している電子書籍を購入するのだが、電子図書館独自のルールが存在する。図書館の人は、自分の図書館のルールも覚えなければならないが、電子図書館のルールも覚えなければならない。

例えば、同時アクセス問題。通常は1ユーザーということで、購入するのだが、複数人の利用があった場合、利用者は利用できないと混乱するのだが、図書館員も突然、利用できないのはなぜかと聞かれても、じっくり状況を確認しないとわからない。(通常、状況を確認してもわからない)、その上、なにかのタイミングでアクセス可能になった場合でも、図書館員がアクセスしてしまったので、他の人はアクセスできないので、先ほどの利用者に利用できますよと、言えない。では、いったい、いつアクセスできるのか?もし、アクセスロックは解除されても、別の人は、その本を利用したい人がいると、その人に権利は行ってしまうので、いったい、いつ利用できるのか、図書館員もなんと答えていいのかわからない。偶然をまつしかないのか?

プリントアウトやダウンロードにも制限があるので、ダウンロードやプリントアウトがうまくいかないと言われても、いちいち、その状況を確認しなければならない。図書館員が、状況を確認すると、また、そこで、1ユーザーなので、ロックがかかってしまい、利用者が利用できるようになるには、さらなる時間がかかる。(その時間もどのくらいなのか、よくわかない)

 

通常、こうのような電子書籍は、紙の本よりかなり高額で、1ユーザーだ。

 

ところが、同じ本をWiley,Oxford,Cambridge などから購入すれば、同時アクセス無制限、プリント、ダウンロードにも制限もなく、ダウンロードしたデータが消えてしまうこともない。

その上、紙の本より安い。(ただし、最近はリバースチャージ問題があるので、安いかどうか、微妙の場合もある。)

図書館員が関与する必要もなく、自由に利用できる。

EBAの場合は、その出版が出版している1万冊、2万冊という規模で、自由にアクセスできる、ダウンロードできる。プリントできる。

しかし、1冊丸ごと、ダウンロードできる例はあまりなく、章毎にアクセスの場合がおおい。20章ある本は、20回のアクセスが必要になる。

面倒くさいが、考え方が明白なので、特に図書館員が介在する必要がない。

 

電子図書館は、電子図書館ルール(貸出期間や同時アクセス、ダウンロード制限)が、二重三重に張り巡らされており、電子図書館を運用するためには、専任の司書さんが、必要だ。