現代人の活字離れの大きな要因は、買った本を置いておくところがないのが、主たる原因である。

家の中で、読み終わった本は、邪魔者扱いされ、行く場を失っている。
そこに、新しい本を買うこともできない。

買った本を市のゴミ回収に出すわけにもいかず、新聞、雑誌のような回収ルートもない。
ブックオフで買い取ってもらえる図書の限られており、とても、こちらの意図にそうこともない。

毎年、膨大な本を出版し、家庭の中には、本が置き場もなく、邪魔者扱いにされている。
出版社は、日本中を無限数の図書であふれかえらせると思っているが、それは、無理なのだ。
本の一生を誰も、面倒みることもなく、社会のシステムから、忘れ去られているのである。
しかし、本を生み出す出版社にとっても、本は、商品でもあり、邪魔者でもある。

本の生涯をプランする必要がある。
本はその生涯をどのようにすごし、終わるべきなのか。

本を、市のゴミとして回収しないのは、本に対する人間としてのある特殊な感覚を感じているからに他ならない。だからといって、無限に家に置くわけにはにはいかない。

本の”尊厳”が維持されながら、社会システムとしての本を回収するシステムを出版社が提案し確立しなければならない。

私たちは、本の量、流通、保管、本のリサイクル、再販など、いろいろな側面から、本の現実を洗い出し、システムを確立しなければならない。

本と読まないではなく、読めない事情がそこにあるように見えるのだが。

現代は、人類史上まれにみる、文字コミュニケーション時代である。
これほどまでに、文字コミュニケーションが発達した時代はないのである。

では。