「自然淘汰」
もう、何十年もすれば、この言葉も消滅してしまうのでしょうか?
ゲノム治療の前線を見るにつけ、ヒトは侵してはいけない、
神の(いや自然の)領域まで、その手を広げています。
ソドムとゴモラの様に、神の(とても概念的ですが)怒りに触れ、
大洪水ではなく、隕石が衝突するとか、地球の自転軸がある日
突然変わってしまうとか、・・・SFチックですが。
ヒトが到底太刀打ち出来ない、天変地異により、人類の大多数が
滅びてしまうとか・・・・
ヒト以外の自然界では、病気や先天的異常により、生き残る事が
難しい個体は、種の保存として、子孫を残せませんが、
ヒトは、種を残す事ができない個体でも、そのゲノム治療により
生き長らえる事が出来ます。
勿論、病気になり、治療を受け、元気になりたいという願いも
ヒトとして、当然の事です。
自然の摂理に反する事でも、ヒトの技術革新により、お金さえだせば、
高度な治療が受けられます。たとえ悪人であってもです。
ヒトが人を裁くこと自体、もの凄く難しい事であるのに、
治療を受ければ、半永久的に生き長らえる事ができます。
権力者がそうなれば、社会はどうなってしまうのでしょうか?
又、異なる人により、技術革新が進んできたのに、同じ人ばかりでは
考え方も画一的なものとなり、斬新なアイディアも生まれません。
同じ人間がいつまでも権力の座にある事を防ぐために、寿命が
あるのに、ゲノム治療により、今よりも遥かに人が元気で長生き
してしまうと、どうなっていくのか?
その答えはとても哲学的で、概念的なものとなり、
私には、想像も出来ない事でしょう。
ヒトは一体、何処へ向かって行くのでしょうか?