おひなさま☆ | 悪あがき女製作所

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-日日是好日をモットーに生きる女の戯言-
ラヴ☆蒲田

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今日は3月3日のひな祭り。







小さい頃、我が家にあったおひなさまは

お内裏様とお雛様

三人官女と五人囃子

それだけがこじんまりとガラスケースに収められたものだった。

ケースにはもちろんその他の小物や、

ライトになってくるくると影絵がまわるオルゴールつきのぼんぼりもついていた。







それは今思えばとても洒落ていて

いいものだったのではないか。







kimimatsuが産まれた時

母方の祖父にとっては初孫ではなく2人目だったけど

女の子ははじめてだったので

それはそれは可愛がってもらった。







祖父はなぜか父と一緒に出生届を出しに行き

その足で呉服屋に成人式の着物を注文しに行き

その帰りにはおひなさまを買いに行ったと成人式を迎える直前に母に聞いた。







そんなことを知らなかったから

いや、知っていても子供だったから

自分の家のおひなさまではなくて

何段にも大きく飾ってあった友達の家のおひなさまが羨ましかった。







『うちは貧乏なのかな?』

子供ながらにそんなことを考えたり

『こんなちっちゃいの恥ずかしいや』

そんな風に卑屈に思って、お友達を家に呼ばなかったりした。







でも今ならわかる。

ひとつひとつ顔をこんな風にしてほしいと

頼んで作ってもらったおひなさま。

お雛様の顔は産まれたばかりのkimimatsuの写真を見せて

『この子に似せてほしい』

そんな無理なお願いまでしてくれた祖父。







今では少し小さくしたいと思うくらいのデカ目だけど

歩きはじめるまでは、驚くほど線のように細い目だった。

それでもジジバカは

『こんなに色が白くてかわいい子はいない』

そう言いながら写真を見せていたそうだ。







もっともっと早くに知っていたら

あのおひなさまを親戚の子に譲ったりしなかったのに。









もう手元には戻らない大切なものがたくさんある。









これからは大切なものは絶対に手放さないようにしなくちゃな。









ひなまつりに思い出す

そんな出来事。