その後の膝&大きな決断 | 伊達公子オフィシャルブログ ~Always Smile~

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大きな決断です。

左膝半月板の内視鏡手術を受けることにしました。

遡ると…
秋から痛みを感じ始めた左膝。
MRIを撮ると半月板に亀裂が入っていました。
そしてドクターから手術を勧められながらも
手術をしないことを選択し、ここまでやってきました。

これまで私の人生に手術の経験はなく
アキレス腱を切ったときでさえ、保存療法があると知り
手術を免れてきたほどです。
今の自分の年齢、度重なる怪我から準備が思うようにできない日が多くなり
100%の状態でコートへ向かい、ファイトできる日は少なくなってきていました。
テニスに対する情熱がなくなったわけじゃない、
まだ勝負がしたい、できるという気持ちがある中で
そのピリオドを打つ日が、いつで、どんなときなのか? 
当然、再チャレンジにピリオドを打つ日もそう遠くないと思わざる得ない日が増えてきていました。

ひざの痛みを感じ始めてからは、まずは炎症が治まるのを待ち、水を抜くことがこれまで5回以上。
そして時にはステロイド注射。
これを繰り返した中で、リハビリ、トレーニングに時間をかけ、
それでもオンコートではなかなかギアを上げられるどころか、痛みが戻ってきてしまう。
試合をこなせるのはせいぜい1~2試合。
秋からこの繰り返しでやってきました。

この怪我の状態とランキングを考えるとAustralian Openは
もしかしたら自力で出れるグランドスラム最後になるかもしれないという思いがありました。
だからこそ手術をせずにチャレンジしたいという気持ちが大きかったのです。

Australian Openから東京へ戻り、翌日にMRIを撮ったところ
これまで亀裂だった箇所が今回、断裂。

ある程度、予想はしていたとはいえ断裂ときかされるとやはりショックでした。
無謀なチャレンジなのは覚悟の上、でも神様がいるならば
このわずかな望みに少しでも力を与えてくれると信じたかった。
痛みと不安を感じずにコートを駆け回れる後押しとなる力が必要だった。
でも実際にコートへ向かう時には怖くて怖くて…
リハビリとトレーニングをしてきたんだから!って自分に言い聞かせるものの
怖さを拭い去るにはコートへ入ってからずいぶん時間がかかりました。
それでも1setを取られ2nd setももうあとがないって思うと
もう膝はどうなってもいいって思っちゃうんですよね。
それだけまだやりたい気持ちがあるってことなんですね…

ドクターから断裂と聞き、この先のアスリートとしての人生、
そしてアスリートじゃなくなってからの人生、
今できることは何があるのか?
いろんなことを考えた結果、手術を受けることに決めました。
今のままではアスリートとしてもかなりの時間をリハビリにかけないと厳しい。
それでも膝が耐えられるのは1~2試合では私は満足できない。
しかもアスリートじゃない中でスポーツを楽しむためにも手術は必須。
ならばもう手術をする選択しかないと思ったのです。

手術をするからといって100%痛みを感じなくなる保証はありません。
でもその可能性に賭けたいんです。
もちろん今すぐに引退も考えました。
でも結論は、まだやり残したという想いの中でピリオドは打ちません 。
ドクターを信じ、可能性に掛け、
いつになるかはわからないけれど、コートにもう一度立てる日を信じて
手術、そしてリハビリいう未知の選択をしました。
私のアスリートとしての最後になるであろう未知の選択へのチャレンジを
見守っていただけると嬉しいです。

今は術前のリハビリを少しやりながらのんびりと過ごしています。
内視鏡手術なので術後もすぐにリハビリがスタートします。
手術に対する不安はありますが、今は膝の炎症も治まっているので静かな日々を過ごせています。

ブログを書くまでに時間がかかりました。
手術が必要と頭でわかっていても心が受け入れるのに時間がかかりました。
内視鏡手術を経験している人からすると大した手術じゃないから全然平気だよって言ってくれます。
とはいえ、今の私にとっては大きな大きな決断でした。
いつの日か不安なく痛みなくコートを駆け回れる日を待っていてくださいねっ。
必ずコートでお会いしましょう。

以上、報告でした。

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