US OPEN2011へ向けてご報告 | 伊達公子オフィシャルブログ ~Always Smile~

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左手甲・小指下の骨の怪我により
テニスファンの皆さん、ブログを見てくださっている方、
またテニス関係者、スポンサーの方、たくさんの方々に
多大なご心配をおかけしました。

Cincinnatiの予選をクリアし、
いよいよ1回戦を戦う朝の出来事でした。

それからは慌ただしい日々でした。
レントゲン検査の結果、骨にヒビが入っていて
Dr.からは全治4-6週間と言われました。
聞かされたときはあまりのショックと
不注意により起こしてしまった怪我を
悔やんでも悔やみきれませんでした。

それからは生活に支障を感じる日々でした。
もともと左利きの私には左手が使えないのは
かなりの不便さ。
それでもなによりもテニスが出来ない悔しさ、
US OPENに出れないかもというのが
何よりも大きなショックでした。

怪我をしてから翌々日にはNYへ飛びました。
US OPENも絶望的になりましたが、そんなにすぐに諦めきれず、
もう一度、ほかのDr.のセカンドオピニオンを聞くことが目的です。
CINCINNATIと同じ判断を再度されれば、諦めて日本へ戻るしかありませんでした。
NYで長年、お世話になっている
「レストラン日本」の倉岡社長にNYでのDr.を
お願い、すぐにでも診ていただけるアポを
取っていただきました。

1人は手の専門、その中でも指のスペシャリストのDr.に
診ていただくことができました。

NYはサマーバーケーション中の人も多く、難しい時期だったにも関わらず
素晴らしいDr.と出会うことができました。
そのDr.は
「全米オープンにギリギリ間に合うだろう」との心強い言葉。

突如、希望の光が射してきました。

日本でもこれまで90年代から膝、肩、アキレス腱とすべての怪我の際には
診ていただいている斉藤明義先生ともメールでやりとりしていただいています。
斉藤先生の言葉にも絶対不可能という言葉はありません。
直接診ていただけない中でも可能にできるための
アドバイスをいただいています。

絶望的で日本へ帰ろうとしていたような状況から
小さな可能性に賭け、NYにすぐに飛んで来て
心強い言葉をもらい、少し腫れていた腫れも少しずつ引き始めて来始めていたし
Dr.からテニスを始めても大丈夫と言っていただいたので翌日からテニス再開。
痛みは当然ありましたが、左手は安静にしながら回復を信じ、
バックハンドとサービスは無理ですが
それ以外の練習とジムでのトレーニングをしてきました。

調整ができるだけでも大きな大きな前進。
動き出せるにはたくさんの方のサポートがあって動き出すことができます。
いつも支えてくれる人たち、そして新しい出会いにも感謝です。

そして25日に再度レントゲン検査、Dr.の診断をしていただきました。

「予想以上に回復していて
ヒビが入っていた骨はまだ完全ではなけど
まわりに骨がしっかり再生し始めているので
テニスをしても大丈夫」とのこと。

はい!Dr.から「US OPENでプレーしてもいい」
と言っていただけました。

とはいっても......
腫れはまだ少しあるし
不安と怖さがあります。
そんな中でこの2日間、バックハンド打ち始めました。

この4日間はNYで鍼治療にも通って、
日に日に腫れが大きく引き始めました。
ずいぶん力も入るようになって来ています。

ラッキーなことに1回戦は火曜日になり
もう1日調整する時間を持てることになりました。
今の私には1日1日が大きな変化が起きているだけに
貴重な1日です。

いよいよ29日から始まるUS OPEN2011に
出場できるかどうか微妙でしたが、
ここまで奇跡的に回復することができました。
やはりいつもグランドスラムは特別な想いがあります。
まだまだ最後まで火曜日、コートに向かえるのか
わからない状態に変わりはありません。
それでも出場する方向で出来る限りのことはやり、火曜日に備えます。
なんとか今年最後のグランドスラムのコートに立てるよう
少しでも回復することを信じて火曜日までの日々を過ごします。

最後に.....
NYには今、ハリケーンが襲って来ています。
いよいよ本格的に雨が降り始め、窓に雨音が強く響いています。
明日はハリケーンにより試合会場は閉鎖。
プレイヤーも皆、ホテルで過ごすことになります。