ヤニック・ノア基金 | 伊達公子オフィシャルブログ ~Always Smile~

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ヤニック・ノアを知っていますか?
テニスファンの方なら「あ~懐かしい」と思う人も
多いことでしょう。
80年代でフランステニスを引っ張ってきたテニスプレイヤ―で
83年には、Roland Garrosで優勝している。
その後は、デビスカップ、フェドカップでも監督を務めてた。
今はフランスで歌手としてもかなりの人気。
ヒートチャートでも1位になるほどだ。

ヤニック・ノアはカメルーンで育っていたが、
テニスプレイヤーであるアーサーアッシュがカメルーンを訪れたとき、
ヤニック・ノアは11歳だった。
ヤニック・ノアのテニスを見たアーサーアッシュの目に留まったことを
きっかけに、カメルーンからフランス南仏のニースでテニスをする
チャンスを与えてあげたのだ。
そのことが活動の大きな原動力となっている。

その活動とは、「Fete le MUR」
ニュアンスとしては「壁と親しむ」になるそうだ。
これには、小さい頃に壁打ちをいっぱいしたことの意味もあるが、
貧しく、厳しい環境にいると壁はネガティブなイメージが強いが、
その壁を乗り越えるため、ステップアップするためという意味が
込められているのだそうだ。

フランスの郊外で、厳しい環境にあるところにテニスコート2面と
壁をすでに21箇所作った。
2007年9月までには25箇所へ増加できる。
ハード面だけでなく、70人がテニスインストラクターの
フランスの1,2級の資格を取得している。
また40人の審判を養成している。

今回ヤニック・ノアの顔が印刷されたTシャツが
Roland Garros会場内ブースに置いてあったことから
このことを知った。

6月末には、10周年のイベントがRoland Garros会場で行われるが
もちろん会場はこの活動の趣旨を理解し、無料で貸し出してくれるそうだ。

ヤニック・ノア自身が与えてもらったチャンスから、自身で切り開いたように
子供たちにもチャンスを与えてあげるこの活動を、
国にとしてもサポートする体制ができている。
スポーツの枠を超えて、社会貢献の意義を強く感じる。

フランスにはスポーツ省が存在し、スポーツに対する理解、育成、強化にも
力を注いでいるが、こういった活動にも目を向け、理解があるからこそ
スポーツが文化として、また生活に根付き、誰もがやりたいスポーツ、
そして夢を感じてもらえるスポーツにも繋がっていくのだろう。