リウマチで生物学的製剤歴10年、変形性股関節症両脚末期、仙腸関節障害のキミドリです。
先日の記事で、
「脱臼を防ぐためといって関節包を切除しない先生も最近いるが、これには何の根拠もない」
と書いたけど、これはあくまでも船橋整形の老沼医師の見解です。
関節包を切除しない「関節包靭帯温存人工股関節全置換術」は、日本の若い医師たちを中心に2年ぐらい前から行われるようになった新しい手術方法で、まだ300例ぐらいしか行われていないとか。
(詳細は人工股関節置換術の最新手術方法を参照)
昨日、この方法で手術してバレエを踊っている方のブログを読んだら、非常に好調のようで、「オペした感覚 まったくない」と言っておられる。
うらやましい。
正直、ちょっぴりショックで、
手術決めるの早まったかな、
なんて思ったりして。
ん〜.......
でもね、
リウマチであることを考えると、やはり私は関節包すっぱり切除するやり方で良いんだ、と考え直しました。
私は7月に、この手術法を行う埼玉の病院を訪ねたことがあるのですが、リウマチ患者の例は少なく、また「関節包を切除することで、リウマチの病勢を弱められる」という説についてもご存知ありませんでした。(関節リウマチ治療における手術のポジショニング参照)
船橋の老沼先生はリウマチ医の資格も持っておられる。
最初は、リウマチ医と言っても何年も現場から離れている医師では期待できないだろうと思っていたけれど、逆でした。
ここ10数年でリウマチ薬が進歩し、股関節が破壊されるほどの重症患者は激減したために、若い医師はリウマチ性股関節を診たことがなく、ベテラン医師には経験があったのです。
だから、これで良いのだと思います。
(リウマチではない変形性股関節症でこれから手術をお考えの方は、関節包靭帯温存も検討の価値ありだと思います)
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リウマチの場合、
普通の臼蓋形成不全の変形性股関節症とは、違います。
なのに、リウマチ性の股関節症の情報はとても少なく、医師も民間療法の治療家も診た経験が少ない。そのため、ずいぶん振り回されました。
可動域が大きいから手術の必要がない?
→リウマチ性では可動域は比較的保たれます。可動域だけでは判定できません。
骨頭の形がいびつになっていないから、まだ大丈夫?
→リウマチ性では骨頭の形状は比較的保たれます。
そして、骨頭は丸くても中身が問題。骨内にも異常細胞が浸潤し破壊を進めて行きます。(これを壊死と記している論文も発見。あながち誤診でもなかったようで)
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最近、このブログをリウマチ患者さんも読んで下さっているようなので、あらためて記します。
まず、
リウマチで股関節が破壊される人は、今の時代、少数です。あまり心配し過ぎないように。
そして、
痛みが出ても炎症が主体なので、適切な薬を使えば症状が消えることも期待できます。私の場合、ごく少量のステロイド関節注射も有効でした。早期に炎症を止められれば、破壊は免れます。
また、
一般的な臼蓋形成不全の変形性股関節症の保存療法を鵜呑みにしないように。リウマチは、筋肉のケアなどで治る病気ではありません。
何より、
レントゲンだけでは判断できないので、MRIを撮ることをお勧めします。
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誤診騒ぎのどさくさの中で手術を決めて、気持ちがモヤモヤしてたので、リウマチ性の関節破壊について目が痛くなるほどネットを調べたよ。
で、ようやく納得。
気が済んだので、
これからは前を向く。
手術して、
良くなるからね!