子育てが、「早くしなさい」「これをやりなさい」という効率主義、結果主義になって、それができないと自分は愛されないのではないか、と、子ども達が不安に感じているからだとも言う人もいます。

 自分は安全に火も包丁も使いこなせるという事実は、子どもに大きな自信を与えます。信じ任せられて作った料理を「美味しいね」と食べてもらえたら、子ども達は自分の存在のすばらしさを確認できるのかもしれません。

 この体験から生まれる自信は、将来どんな苦しいことに出会ってもやり遂げられるという、生き抜くための力につながるのだと思います。どんなところで、例えひとりで生きることになっても、人生を楽しんで生きることができる力です。本当の自立を支えるのは、そんな自分への信頼感なのではないでしょうか・・・

ほんの数十分で子どもを変えることができる魔法のかけ方があります。


 それはお豆腐のお味噌汁を作ることです。もっと言えば、お豆腐を“手のひらで”切ることです。手のひらに包丁を下ろすのは、子どもにとってこわいもの。真剣に、細心の注意を払って、包丁をまっすぐ下ろす。手のひらに当たった刃を、横に引かないように、まっすぐ上げる。

 この真っ向勝負の難しい体験から生まれる「できた!」という達成感が、ゆるぎない自信となるのです。これは子ども自身が自分で見つけた自信です。多くの子どもに、この体験をさせてあげたいですね

うちの子は早くから目玉焼きが作れるようになったので、最近では私のいない時に勝手に料理しちゃってます