ご覧いただきありがとうございます。
 
大宮パン教室 西村きみこです。
 
image

 

先日、『ベンチタイムの時に濡れ布巾はかけないのですか?』とご質問を頂きました。

 

習慣でなんとなくベンチタイムに濡れ布巾をかけている方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

 

ベンチタイムとは、15〜20分ほど生地を休ませること。

 

この間に生地が乾燥しないように、濡れ布巾をかける。と本やインターネットに書いてあるのも見かけます。

 

私は濡れ布巾をかけると、パン生地の水分も奪われてさらに乾燥すると考えているので、かける場合には乾いた布巾を使用しています。

 

普段はだいたいばんじゅうに入れていますよ^^

 

 

なぜ濡れ布巾をかけるとさらに乾燥すると考えるのかというと、手荒れを例にご説明しますね。

 

乾燥した冬は手荒れの季節ですが、水仕事の際に手を濡れたままにしておくと、手指の水分まで一緒に蒸発し、手指に必要な水分が奪われてしまいます。

 

そして皮膚のバリア機能が薄くなり手荒れやヒビが起きます。

 

ちなみにこの原理をうまく利用したのが、ハード系などを焼く時のスチーム(蒸気)焼成です。

 

 

 

 

オーブン庫内に水蒸気が充満していることにより、細かな水滴が生地の表面にくっついて表面を湿らせます。

 

この細かな水滴が蒸発する時、パン生地の表皮の水分も奪って共に蒸発し、クラストがバリバリ食感になりますよ。

 

また、細かな水滴のおかげでパン表面が糊化し、焼き固められるのが遅くなりかま伸びしやすくなります。

 

 

以上のことから、パン生地表面を濡らすことは逆効果だと考えているのでお勧めしていません。

 

湿度や室温が高い時など、濡れ布巾をかけていることによりベタつき扱いづらくなることもあるので、夏場や梅雨時は丸めた生地をテーブルの上に出しっぱなしにしてベンチタイムを取ることもある位です。

 

パン作りに正解はないので、参考までにして頂ければと思います。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。