⁸私はアメリカ国籍である。日本には90日の短期滞在だったらビザ免除で入国できる。と今まで特に不自由なくアメリカ人(正確に言うとアメリカ国籍の日本人)をやってきた。
旦那クンとは1991年に結婚したが、私が長女であること、本籍がバリバリの東京の下町、駒形一丁目であること、その二つが「日本人」であることをKeepしていた。
永住権保持者(グリーンカードっていうやつね)として、アメリカで生活していても何の問題もない。問題ではないが、強いていけば10年に一度 Permanent Resident Card(グリーンカートの正式名称ね)を更新しなければならない事かな?(と思っていた)
私の住んでいるWashington州はカナダに隣接している。家から30分も走れば(もちろん車でね)もうそこはカナダとの国境である。私は時折、カナダのバンクーバー空港から日本に帰国する。距離と渋滞を考えると、シアトルから出国するよりスムーズである。更にUSドルとCanadaドルの為替レートによっては、直接バンクバーから日本に帰国した方がちょっとお得?になる事がある。アメリカ国籍で日本に帰国というのも変であるが(苦笑)、やっぱりなんだか帰国。でもって日本からアメリカに帰ってくるときも・・・やっぱり帰国(笑)。
ところが、永住権保持者である私の友達はカナダから日本へ行けないというのである。
えっそうなの?永住権保持者とアメリカ国籍者だと違うの?
よくわからないが、彼女はそう言うのである。
私は何かで配偶者が亡くなった時に、永住権保持者とアメリカ国籍者では法的な扱いが違ってくるという話をきいて、アメリカ人になる事を決心をしたのである。
だって私の生活はもうアメリカが基盤。自分で作り上げた(自分と旦那クンとワンコ達)全てがここにある。日本には「訪れる事」はあっても「帰る事」はないだろう。
と文にすると、今更ながら(そうか、自分はそうなんだ)と思う。両親がいるから日本に帰国をしていた。帰る家があるから帰国をしていた。
2021年の5月に父が他界し、コロナで入国の規制が引かれ初めて「日本国籍ではない」という事に不自由を感じた。入国規制が緩和し始めても、外国人扱いの私は帰れないのである。まさか親が亡くなったのに帰国が出来ないとは考えた事もなかった。やがてビザを申請して取得すれば入国できるようになったが、必要書類が揃わない。関東に家族が居ない私は、台東区役所から戸籍謄本が取れないのである。このご時世、なんでもOnlineでできるのでは?と思ったが、役所はまだまだマニュアル。基本は本人が申請する。それ以外は代理人を立て、窓口に行くか、直系の家族が申請するかの選択肢だ。妹は関東には住んでいないし、父が居なくなったあとの母は、何をするのにも自信が無くなってしまい、役所から戸籍謄本を取り寄せる申請なんてとてもじゃないが出来ない。
すると、コロナの入国規制が最初に緩和された時に、友達が帰国するという。実家は東京。事情をしっている彼女は快く代理人になって上野の台東区役所まで行ってくれると言ってくれた。
そして戸籍謄本がやっと取りよせる事が出来た途端に、コロナの入国規制が全面解除になった。なんてこったである(笑)。
コロナの入国規制が10月に解除になる・・・というのをYahoo Japanのニュースで見ただけでは、確かな情報とは言えないと思ったので、領事館に問い合わせをして確認した。返事を待ち、アメリカ国籍の人はビザ免除の短期入国が出来るようになったという事を確認してから、飛行機の切符を手配し、父が居なくなった実家にやっと帰れたのが2022年の11月。
そして、その翌年には母のサポートもありビザ免除で滞在できる90日ギリギリまでの滞在。
そこまでは特に何も考えずに、このような行き来が続くと何となく考えていた・・・が・・・
イヤイヤ、母は今年89歳。そして心臓疾患というダイナマイトを抱えている。えっ?いつかこの「帰る場所」がななくなる!?
ちょっと待って、落着け、よく考えろ!
ということは・・・いろいろとこれから「初めて」の事が起こる?マンションの売却とか・・・色々。
そして調べていくと、住民票がないと日本では何もできないことがわかった。銀行の口座もあけられない、印鑑証明もとれない、車も買えない・・・
住民票はビザでの入国で、証明があれば申請できるらしい。
そうか・・・やっぱりビザを取らなきゃダメなんだ。