夕食を終え、後片づけも済ませた夜。
リビングのテーブルに地図アプリを開きながら、あなたは小さな声で切り出した。

「……ねぇ、休暇は山奥の温泉にしない?
囲炉裏がある離れで、露天風呂も付いてるんだって」

実弥は湯呑を手にしながら、ちらりと画面を覗き込む。

「……山奥?」

「そう。静かで、誰も来なくて……二人きりになれるよ」

にこっと笑って言うと、自分でも少し照れて頬を押さえた。

実弥は鼻を鳴らし、耳まで赤く染めながら低く呟く。

「……ふーん」

そして、視線を外したまま、ぽつりと本音が漏れる。

「……休暇中くらい、俺がずっと抱いてていいだろ」

その真っすぐすぎる言葉に、胸がじんわり熱くなる。
思わず小さく笑ってしまった。

「……うん。それが一番いいかも」

その返事を聞いた途端、実弥の腕が伸び、強く抱き寄せられる。
ソファの上で全身を包み込むように。

「……じゃあ決まりだな」

真っ赤な顔でぶっきらぼうに言う実弥に、頬を赤らめながら笑って頷いた。