「姥捨てバス」原 宏一著・・・★★★☆
31歳独身の「おれ」は相棒に言われるがままに、白タクならぬ白バスで無認可の観光ビジネスの片棒を担いでいる。ある日、相棒が企画した「清貧ツアー」(聞こえはいいが、おんぼろバスで婆さんたちを山奥に連れていくツアー)で、客の1人が失踪。「あれは姥捨てツアーらしい」という噂が瞬く間に広まったが、皮肉なことに、今度は150人もの婆さんがツアーに集まった!『床下仙人』でブレイクした著者が、現代をシニカルに描く。
初読み作家。
お気楽な本が読みたくなり、題名と表紙から本書を選んでみた。
元バス会社社員の主人公と、口達者でお調子者の元旅行会社社員の相棒が、オンボロの白バスを使い、「清貧ツアー」と称し、婆さん相手に山奥の温泉ツアーを始めたが、一人の婆さんが「姥捨てツアー」だと言い残して勝手に帰ってしまい、ツアー客も動揺し全員帰ってしまう。
しかし、相棒は開き直り冗談半分で「姥捨てツアー」として再度企画すると150人の客が集まった。
宿泊は廃校となった校舎、食料は自給自足、温泉が入り放題の1か月。
ところが、ツアーが終わるころ「子どもを捨てることにしました 一同」という書置きを残し、150人全員が宿泊所から忽然と姿を消してしまった。。。
ストレスフリーでスラスラ読める文体とユーモア溢れるストーリー展開で、苦労なくお気楽に読めた。
現代の高齢化社会、家族問題を背景にしている為、単なるドタバタ劇に終わらずそれなりに読める。
気分転換するには良い作家かもしれない。
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