451冊目 聖耳/古井由吉 | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「聖耳」古井由吉著・・・★★★

飛行機の機内や病棟などから、ふと耳に入ってくる言葉。ひょんなことから思い出される、今は亡き知人の言葉。だいぶ以前に電話をかけてきた、旧友のちょっとした言葉。それらが、何かをきっかけにして、小説家の妄念の起点となり、小説が産み落とされる…。ここに収められた作品群は、そんなふうに書かれている。そうした経過そのものの結晶化した姿、それがこの12本の短篇なのだ。


こってりした作品、特に海外物を読んだ後などは、正統的日本文学それも老練した古井由吉などの名文を読みたくなる。

が。。。

小難しい漢字やら単語に躓き、何だか頭にすっと入ってこなかった。

こんな本を★3つなんてしたら怒られるだろうけど。。。(-_-メ


本書は、著者が眼病を患い過ごした入院生活や、戦争時の回想などを綴った連作短編の私小説で、随筆的でもある。

難しい漢字、単語だけで無く、描き方が断片的で、時系列も飛び飛び、現実なのか夢なのかもハッキリしない様な筆致は、フワフワして取り留めが無く、読んでいてどう理解していいのやら定まらない。

当然これは、読む力の無さであり、本書が素晴らしい作品である事には間違いは無いと思いますが。。。(-。-;)


まあ、幸か不幸か、これを読むには私はまだ歳若なのかもしれない。

読解力もそうだが、人生観もまだまだそこまで追いついていないのであろう。

もう少し歳をとるまで、古井由吉は封印しておく事にしよう。


聖耳/古井 由吉
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