「切羽へ」井上荒野著・・・★★★
静かな島で、夫と穏やかで幸福な日々を送るセイの前に、ある日、一人の男が現れる。夫を深く愛していながら、どうしようもなく惹かれてゆくセイ。やがて二人は、これ以上は進めない場所へと向かってゆく。「切羽」とはそれ以上先へは進めない場所。宿命の出会いに揺れる女と男を、緻密な筆に描ききった哀感あふれる恋愛小説。
2008年の直木賞受賞作。
切羽(きりは)とはトンネル工事の一番先頭の事で、それ以上進めない場所という意味らしい。
私は、「切羽つまる」のセッパだと思っていたら、そっちの「切羽」は刀の部品のようで全然意味と語源が違うらしい。
う~ん、どうなんでしょう~?(長嶋さん風に)
古風で貞操の固い日本女性(主人公)と他の登場人物との対比で、異性に対する揺れる心を行間に込めて描いてるんですが、どうも歯がゆい感じ。
「切羽」を隠喩にして、こういう寸止め的な描き方はいかにも日本文学的で、それはそれでいいんでしょうが、私的にはもう少し起伏が欲しく、物足らない。
マキューアンの読後なので余計にそんな心理状態かも知れない。
女性には同感出来る微妙な心理があって理解できるんでしょうねぇ。
もっと、刺激をくれー!。。。!(´Д`;)
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