「廃墟に乞う」佐々木譲著・・・★★★☆
道警の敏腕刑事だった仙道孝司は、ある事件をきっかけに療養中の身。やっと回復してきた仙道に、次次とやっかいな相談事が舞い込む。
第142回直木賞受賞作。
直木賞って長編作品が対象だと思ってたら、本作は6編の連作短編集だった。
主人公は自らの初動捜査のミスから誘拐被害者を保護できず、目の前で殺された事件でPTSDを負い休職療養中の北海道警刑事、仙道。
作品はすべて殺人事件で、休職中の刑事の立場から、捜査本部とは違った角度から事件の背景、交流関係を探り犯人を推理していく。
ベテラン作家だけあって、当今流行のミステリーのような派手さは無く、渋めで正統的な警察物。
東野とか伊坂に馴れた人にはちょっと物足らぬか。
個人的には長編でもう少し掘り下げた作品の方が好きである。
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