436冊目 鷺と雪/北村 薫 | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「鷺と雪」北村 薫著・・・★★★☆

帝都に忍び寄る不穏な足音。ルンペン、ブッポウソウ、ドッペルゲンガー…。良家の令嬢・英子の目に、時代はどう映るのか。昭和十一年二月、雪の朝、運命の響きが耳を撃つ―。


過去にこの人の「空飛ぶ馬」を読んだが、擦れたオッサンには蕁麻疹ができそうな作風だった為、それからは避けて通る作家だったが、本作が直木賞受賞作品という事で避けきれず読んでみた。

本書は3編の連作短編で構成され、時代は戦前の昭和、主人公は華族(?)の女子大生。


ストーリーは「空飛ぶ馬」と同じく、殺人や暴力など過激さとは全く無縁の、ちょっと不思議なミステリー仕立てで、その時代背景や人物設定から上品で情緒ある作品となっている。

「空飛ぶ馬」をオッサンが読んでたらチョット恥ずかしいが、本書なら耐えうる内容と装丁である。


それにしても、この方、品行方正な女の子が大好きなようで、さぞかし素敵なおじ様なのであろう。

清き正しい女子大生には持ってこいの1冊である。

うちの娘は絶対に読まんだろうな。。。( ̄∩ ̄#

鷺と雪/北村 薫
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