「パプリカ」筒井康隆著・・・★★
精神医学研究所に勤める千葉敦子はノーベル賞級の研究者/サイコセラピスト。だが、彼女にはもうひとつの秘密の顔があった。他人の夢とシンクロして無意識界に侵入する夢探偵パプリカ。人格の破壊も可能なほど強力な最新型精神治療テクノロジー「DCミニ」をめぐる争奪戦が刻一刻とテンションを増し、現実と夢が極限まで交錯したその瞬間、物語世界は驚愕の未体験ゾーンに突入する。
本作は2006年にアニメ化され、ヴェネツィア映画祭に出品されている。
超美人の精神医学研究者、千葉敦子(その別の顔がパプリカ)が最新の精神治療機器を操り、患者の夢に入り込んで次々と治療していくが、その治療法を巡り研究所内に対立が生まれ抗争に巻き込まれていく。
前半は心理学や最新鋭の治療機器の専門用語が多用されながら派閥抗争の展開が面白く読めたが、後半はもうハチャメチャ(苦笑
夢と現実が入り混じり、夢から醒めた現実が、現実なのか夢なのか、自分の夢は他人の夢なのか?
魑魅魍魎、怪物、妖怪が入り乱れスクラップコメディが展開されていく。
筒井康隆って私はあまり読まない作家なんだけど、この辺の所が私には無理。
前衛的と言えばその通りかもしれないが、この時代の作品としては少し古びているような気がする。
前衛は単なるエキセントリックだろうか?
カフカの方がよっぽど永遠の前衛の様な気がする。
- パプリカ (新潮文庫)/筒井 康隆
- ¥700
- Amazon.co.jp