「喋々喃々」小川 糸著・・・★★★☆
東京・谷中でアンティークきもの店「ひめまつ屋」を営む栞(しおり)。きものを求めるお客ばかりでなく、ご近所さんもふらりと訪れては腰を落ち着ける、小さなこの店に、ある日、父とそっくりの声をした男性客がやってくる。その人は、栞の心のなかで次第に存在感を増していき――人を大切に思う気持ち、日々の細やかな暮らしが、東京・下町の季節の移ろいとともに描き出される、きらめくような物語。
小川糸の長編小説2作目。
喋々喃々とは「男女が仲良くおしゃべりしている楽しそうな様子」なんだそうである。
本作はアンティークきもの店を営む主人公と、客の妻子持ちの男との草食系不倫ストーリー。
不倫ではあるが小川糸の作品だけに濡れ場描写は無い。(1箇所あるが無いと言ってもいい)
ストーリー自体は平凡で冗長的であるが、この人が得意としている旬の料理の数々、季節の風景や着物などの描写が良く、作品に情緒を与えている。
非常に女性的な感性で書かれた作品で、こういう世界に憧れる女性も多いと思う。
- 喋々喃々/小川 糸
- ¥1,575
- Amazon.co.jp