268冊目 ニッポニアニッポン/阿部和重 | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「ニッポニアニッポン」阿部和重著・・・★★★☆

17歳の鴇谷(とうや)春生は、自らの名に「鴇(とき)」の文字があることからトキへのシンパシーを感じている引きこもり少年。日本産のトキの絶滅が決定的であるにもかかわらず、中国産のトキによる保護増殖計画に嬉々とする「欺瞞」に違和感を抱いていた春生は、故郷を追われたことをきっかけに「トキの解放」を夢想しはじめる。その選択肢は「飼育、解放、密殺」のいずれか。「ニッポニア・ニッポン問題の最終解決」という自らが描いたシナリオを手に、スタンガン、手錠、催涙スプレーで武装した春生は、やがて佐渡トキ保護センターを目指す…。


読み終えて脱力感と笑いがこみ上げた。

なんだか、ビートたけしがカンヌ映画祭の授賞式でボケを噛ましたような感触。


”ニッポニアニッポン”とは日本では絶滅した鳥”鴇(トキ)”の学名なのだそうで、私も初めて知りました。

物語は故郷を追われ都会に暮らす少年の孤立と”トキ”の解放による自身の過去と世界への復讐をミステリータッチで描いている。

トキに関する報道や飼育状況、犯行に使われる道具の入手などが、当時の新聞やインターネットによる事実に基づき描かれストーリーにリアル感をもたらしている。


日本をシンボル化した様な学名と希少性、話題性を併せ持つ鳥をモチーフに、主人公の犯行動機と絡ませ「ムムッ、中々いいとこに目つけたな」と思いながら、この思想的な犯罪を作者はどう展開させるのかと期待を持ちながら読み進めて行った。

しかし、中盤の主人公の過去の生い立ちの辺りから、んん?となり。

そして結末で。。。

ひっくり返った!


日本を嗤い、読者を嗤い、人間を嗤うのであった。。。( ´艸`)


この本現在販売してないらしい。

関係者の逆鱗に触れた?。。。(笑


ペタしてね



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