135冊目 阿修羅ガール/舞城王太郎 | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「阿修羅ガール」舞城王太郎著・・・★★★☆

アイコは金田陽治への想いを抱えて少女的に悩んでいた。その間に街はカオスの大車輪!グルグル魔人は暴走してるし、同級生は誘拐されてるし、子供たちはアルマゲドンを始めてるし。世界は、そして私の恋はどうなっちゃうんだろう?東京と魔界を彷徨いながら、アイコが見つけたものとは―。三島由紀夫賞受賞作。

 

 

前々から気になってた作家の代表作。

 

読み始めてしばらく、その独特なグルーヴ感のある文体(途中から普通になる)に違和感を感じたが、慣れると心地よく読めた。

しかし、中盤あたりまでの大人が読むには耐えないストーリーに、どうしてこんな作品が評価されるんだろうという感じだった。

が、後半の幻想のような寓話のような章あたりから突然トーンが変わった。

本作がぐっと重みを増し、その余韻が結末まで続く。

この人の評価は文壇でも分かれ(確かにそうだろうね)、他にもいろいろと話題性に富んだ作家らしいです。

個性的で現代作家でいえば町田康のような存在で、個人的には好きなほうです。

次はもう少しシリアスな作品が読んでみたい。

 

 

 

 

阿修羅ガール (新潮文庫)/舞城 王太郎
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