「鉄塔家族」佐伯一麦著・・・★★★☆
東北のある地方都市で暮らす小説家・斎木、草木染作家・奈穂と、街のシンボル「鉄塔」の麓で暮らす人たちの平穏な日常には過去の暗い影がつきまとう。しかし、自然に抱かれた生活に見出すささやかな歓びと、お互い引かれ合う人たちが、彼らの疵を癒し、新たな家族をつくる。細密な描写で人間の勁さに迫る待望の長編小説。
新聞連載のかなりの長編。
著者は私小説の書き手で、この作品もそのひとつである。
何か特別な出来事が起こるでもなく、徹底的と言うほど丹念に(逆にいえば冗長的)、人びとの暮らしとそれを取り巻く自然を描いている。
自然賛歌ともいうべき作品。
ミステリー好きな人、気が短い人には合わないかもしれない。
自然(草木、花、鳥)が好きな人、のんびりと読書をしたい人、癒しを求める人には打って付けの1冊でしょう。
いい歳して夏フェスで騒ぐような私にはちょいと長かった。(^^;
- 鉄塔家族 上 (朝日文庫 さ 32-2) (朝日文庫 さ 32-2) (朝日文庫 さ 32-2)/佐伯 一麦
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