「時計館の殺人」綾辻行人著・・・★★★★
館を埋める108個の時計コレクション。鎌倉の森の暗がりに建つその時計館で10年前1人の少女が死んだ。館に関わる人々に次々起こる自殺、事故、病死。死者の想いが籠る時計館を訪れた9人の男女に無差別殺人の恐怖が襲う。凄惨な光景ののちに明かされるめくるめく真相とは?
本書は著者の館シリーズの1冊であるが、以前に私は「十角館の殺人」を読んだ。その時の印象はさほど残っていないのだが、本書を読んでオーソドックスな推理小説も良いものだなあ、と感じた。
段々と近づいてくる恐怖感、密室殺人の仕掛け、犯人と動機の解明。本書はそれらのミステリーの面白さを存分に供え推理小説の王道をいっている。
それにしても、推理小説作家という人たちは、どうしてこうもいろいろとトリックを考えつくのだろう。私には到底出来ない芸当だ。
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