78冊目 笑う山崎/花村萬月 | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「笑う山崎」花村萬月著・・・★★★☆

マリーは泣きそうな子供のような顔をした。「なにする!」圧しころした声で言った。「犯しに来た」その一言で、マリーは硬直した。冷酷無比の極道、山崎。優男ではあるが、特異なカリスマ性を持つ彼が見せる、極限の暴力と、常軌を逸した愛とは!フィリピン女性マリーを妻にしたとき、恐るべき運命が幕を開けた…。

 

 

「大切なもの」を守る為に、圧倒的暴力を持って非情なまでに男は戦う。直球ど真中の物語だ。しかし、主人公の山崎の内面は屈折している。文体は余分な言い回しは一切無く、ストーリーも単純明快、それにより主人公の存在感が際立ち、もの凄い緊張感がもろに伝わってくる。ただ、個人的には一ひねり欲しいスートリーだった。

 

こういう男に憧れる時期が男なら誰でもあるんだろうな。(今やそんな時代じゃないか)

 

 

さて、話はまったく変わるのだが、最近私は鼾をかくらしく(自分ではなかなか分からない)嫁さんに「喧しい」と怒られる。そんな事言われても、どうしようもないものはどうしようもない訳なのだが、昨日昼飯に図書館の近くの蕎麦屋でビールを飲んで蕎麦を食べてから図書館へ行き本を読んだ。そうしたところ案の定すっかりいい気持ちになってしまい、強烈な睡魔に襲われた。気がつくとすっかり寝てしまい、「うっ、やばい(鼾かいてなかっかな)」てな事になってしまい、辺りを窺うと何となく冷ややかな視線を感じた。図書館で鼾をかくとかなり迷惑なのでご注意あれ。

 

 

 

笑う山崎 (ノン・ポシェット)/花村 萬月

 

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