63冊目 幻の光/宮本 輝 | ヘタな読書も数撃ちゃ当る

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ある日突然ブンガクに目覚めた無学なオッサンが、古今東西、名作から駄作まで一心不乱に濫読し一丁前に書評を書き評価までしちゃっているブログです

「幻の光」宮本輝著・・・★★★☆

愛する人を失った悲しい記憶を胸奥に秘めて、奥能登の板前の後妻として生きる、成熟した女の情念を描く表題作ほか3編を収める。

 

私が宮本輝を読んだのは25年前にもなる「青が散る」1冊だ。当時は血気盛んな年頃だったから、純文学なぞ読めるか!とも思ったのか、それ以来まったく読んでいない。自分の人生の後先を考えるような年になると、こんな小説が心に沁みる。

作風はシンプルで穏やかな語り口、なんら仕掛けもない。

また一人、自分にあった作家を見つけた。本読みとしてはうれしい限りだ。

幻の光 (新潮文庫)/宮本 輝
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