【あらすじを語らない映画紹介】セント・マーティンの小径 | 気まぐれジューゴ

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「2010年ピグの旅」として、ピグの世界を旅行してきました
今度は外に出て、いろいろ表現してみたいと思います('◇')ゞ

 

セント・マーティンの小径

1938年 イギリス映画

監督 ティム・フェーラン

出演 チャールズ・ロートン、ヴィヴィアン・リー、レックス・ハリソン他

 

思春期の感受性豊かな時期に

この映画に出会っていたら、

今とはまた違った感想になったろうし、

もっと胸に突き刺さったろうなと思いました。


そうなんです。

思春期の頃の自分だったら、

この手の映画は好きだったと思います。


クラシック作品だからというのも

あるのかも知れませんが、

チャップリンの匂いを感じますね。


それは、チャールズ・ロートン演ずる

主人公が大道芸人だからというのも

あるかもしれませんし、

ヴィヴィアン・リー演ずる女性が、

ポーレット・ゴダードのように

見えてしまうというところも

あるからかもしれません。


そしてストーリーも…。



さて、この映画が公開された1938年の頃。

ロンドンではこういう大道芸人が

たくさんいたのでしょうか。


まあ確かに、今のように

多彩な媒体の娯楽が溢れかえっている

時代ではないので、

人々は演劇を見たり、

こういうストリートパフォーマンスを

見に行くことが楽しみだったのかもしれません。


そんな大道芸人たちの活気を見るのに、

この映画は参考になりますね。


この映画のチャールズ・ロートンは

本当にハマり役だなと思います。

イギリスの大道芸人を見たことない私も、

「これこそまさにイギリスの芸人」と

思わせてしまう芸や生き方を見せてくれます。


ヴィヴィアン・リーは、

スリという底辺の役も

上品な成功者の役も

見事に演じていますよねー。


ちなみに、この作品の1年後に、

あの大作『風と共に去りぬ』が

待っているのでした。


そしてもう1人。

レックス・ハリソンの存在感。

主人公じゃないのですが、

まぁ〜見事に存在感がありますね。


というか、若い頃から、

上流階級の貴族とか、音楽家とか先生とか…

なんか知的で上品な役をやらせたら、

ホントにピッタリです。



さて冒頭で、私が若い頃だったら、

この映画が好きになっただろうと

書きましたが、

では今の自分にはこの映画はどう映ったか。


もちろん嫌いな映画ではないのですが…、

ちょっと見るのが遅すぎたかなと

いうのが率直な感想です。


完全に入り込めなかった…。


けっこう大人的な視点で見てしまったので、

もっとこうしたらいいのに…とか、

僕だったらこういう選択をするなぁとか、

そんなことばかり浮かんでしまいながら

見てしまいました。


若い頃の感受性のままでは、

生きていくのは大変なので、

今の状況でよいとは思いつつも、

そういう感受性を失いつつあることに、

一抹の寂しさを感じさせられた映画でした。