01 脳腫瘍でこんな症状が出ました、私の場合 | リフォームおやじの脳腫瘍日記

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2015年45歳の夏、突然、脳腫瘍(髄膜腫グレード2)が見つかり、術後丸8年経過。術後の生活を綴ってきましたが、2024年6月ついに再発と向き合うことになりました。さあ、どうなる!

2015年8月30日


私にとって、生涯忘れることのない出来事が起こります。




私は、ボウリング場にいました。4人でプレイを開始し、私の投順は4番目です。練習ボールがあったので、1球投げましたが、その時は普段通りに投げられました。



さて、いよいよ本番がスタート



皆が投げ終わり、自分の順番がきて、ボールを両手で持ち上げた瞬間、それは起こります。



(・・・さっきまでと何かが違う・・・)



最初は自分でも何が起こっているのか、わかりませんでした。次に頭に浮かんだのが、



(あれ?このボールをどうするんだっけ・・・)



さっきまで投げられていたのに、目の前にあるボールをどうすればいいか、がわからなくなっているのです。



そのときの感覚は、ど忘れのひどい感じとでも言いましょうか、思い出そうとしても思い出せない感じ、、、なのです。



ボウリング場で、皆とボウリングをやっているという認識はあります。でも、どうしてもボールをどう扱うかがわからない。



私はボールを回します。すると、ボールに開いている2つの穴が見えてきて、(確かここに指を入れるはずだ)と思い出します。



そして、その後親指を入れる穴も見つけ、何とか投げる前の構えまでは出来ました。



出来ましたと言っても、確信を持ってやっているのではなく、(こんな感じだったような・・・)という、ひどく曖昧な状態で探りながらやっている感じです。



そして、


(・・・どうやって投げるんだっけ?)



今度は、投げ方がわからない。手と足を動かして投げていたはず、とまでは思い出せても、どこを動かせばいいかわからない。



でも、レーンの向こうに立っているピンを倒すという認識はある。これからやろうとする目先のこと・・・だけがわからない。ぽっかりとそこだけ抜け落ちてしまったかのようだ。



(ええ~い、何とかなるだろう!)


ボールを投げるために腕を下ろしながら、前に数歩踏み出し、ボールを手放す。もちろん、スムーズに投げるイメージなど、出来ていない。



何しろ、一歩踏み出した瞬間、次に何をするかわからない、という状態だ。脳からの指令なしに、身体のパーツが、バラバラに動いている感じだ。



ガコン、ガコン、ガコン!



投げ方がわからない状態で投げたボールは、放物線を描いて宙に浮き、思いっきり床に叩きつけられ、バウンドしながらガーター(脇のみぞ)に吸い込まれていった。



(寝不足で調子わるいのかな・・・?



確かにその日、私は1時間くらいしか睡眠を取っていなかった。だから、次の順番まで横になっていれば大丈夫だろう。そう思いながら、3フレーム分を投げる・・・



でも、結果は同じ。




(脳内で何かが起こってる!!)


動物的な勘としか言えない。



クモ膜下出血などは、早ければその後のダメージも少なくて済むと、誰かが言っていたな。何かはわからないが、とにかく、一刻も早く病院へ行こう。



こうして、傍らにいた妻にすぐに病院へ連れて行って欲しいと伝える。



ただ、妻に、自分の状態を伝えるのもひと苦労。


『これからやろうとすることが、わからないんだ』



いくら言っても伝わらない。普段、冗談を言うことが多い私は、この時ばかりは自分を恨んだ・・・



(まじめに言ってるんだよぉ~~~~~~~!!)