もしドラ レビュー | プロト・カルチャー

プロト・カルチャー

ROUAGEベストより マクロスからではない

ベストセラー

『もしドラ』


もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら/岩崎 夏海
¥1,680
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これについての読んだ感想を

書いていきたい



以下、ネタバレ有り



この本についての感想・評価は

ちょっと難しい…



というか、

ビジネス本として見るか

読み物として見るか

2つに分かれてしまうからだ



というのも

本来は総合的に見るのが一般的だけど

この本については先に言ってしまうと



ビジネス書としてはおもしろいが

読み物としては消化不良なのだ



総合すると±0になってしまう

でもビジネス書としてはよかったので

プラスになることは、なるのだけれども…



まず文章だけれども

この著者は元々放送作家なので

純然たる作家ではない



その所為なのか、序盤は

文章に違和感というか下手だ


※素人には言われたくないだろうが



ただ、中盤以降は慣れてきたのか

良くなっていき、執筆中の成長が見られる



まあ、読み物としては

この中終盤がクライマックスで

すごい、勢いがあり

読者を引き込んでいく



このあたり、


みなみのマネジメントが

おもしろいように連鎖的にうまくいくとこでは

時間を忘れて読みふけってしまった



ただこの部分、マネジメントの運用例

ビジネス部分といえばビジネス部分なので

読み物として見ていいやら評価が難しいのだ




前述の消化不良の部分は

次郎に対してのもやもや感が

なんだったのがよくわからない点


次郎へのもやもや感は

恋愛感情ではなく

(野球をやれない)嫉妬に近い感じだろうか…




みなみと夕紀と過去に対する

感情・心のやり取りがはてなマークな点


野球をあきらめた事で起こった

夕紀との微妙な距離感や感情は

最後まで理解できなかった

(何故泣いてしまうのかとか)


そこら辺の心理描写というか

表現力の無さが致命的だった気が…




ラストの文乃に捕まった時に

言われた言葉が何のことはない点



平凡な言葉だったので

肩透かしを食らった…

ただ『逃げてはダメです』では…


もう少しグッとくるセリフは

なかったのかと思ってしまう


でも、これが著者が

ドラッカーの真摯さに対しての

回答、一番言いたかった

言葉だとは思うけど…


でも私も似たような感想ですが…シラー



まぁ、これらがちゃんとできていれば

すばらしい書籍だったのにと悔やまれてしまう



ビジネス書としては

先程すこし述べたように

サクセスプロセスがテンポ良く



ドラッカーの使い方をわかりやすく表現しているので

題材や設定のうまさは放送作家ならではと思う



ビジネス書の肝は

ちゃんと押さえているといったところだろう



最初は総合的な感想・評価は難しいと書いたが

やはり、ビジネス書なので

読みやすくわかりやすい点、なんだかんだで面白く最後まで読めたことから

良作といってもいいのかもしれない