前回はオカルト志向のネット右翼をあつかったが、オカルテイックなことを言い出すのは何も右翼だけじゃない。左翼というか、反原発の連中にもいる。
なんでも2月9日の東京都知事選挙に行かせない為に政府が人工降雪を行なわせたと主張している。
http://yukan-news.ameba.jp/20140210-103/
この人工雪とやらは↓こんな特性の代物らしい。
すぐ溶ける大雪を大袈裟に宣伝し都民を投票に行かせるのを諦めさせる。雪というのは嘘で最近youtubeを騒がしている火に晒しても溶けない人工雪。東京都知事選を混乱させるために人工雪には車がスリップするように特殊なスリップ剤が含まれている 』
という代物だそうだ。 その溶けないはずの人工雪とやらが降った翌日から自然に溶け、次の週には見る影も無くなり、更に新たな人工雪が降る始末。だいたい、溶けないのなら特殊なスリップ剤とやらを混入させる意味はあるのか?
都知事選の結果についてオカルトめいたことを言ってる連中がいる。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11768813096.html
まず田母神の後ろに組織がないというのは嘘である。大きな組織として平成の大政翼賛会と言われる日本会議がバックについており、また前回紹介した有象無象の中小のネトウヨ集団がついている。
あれで60万である。それ以上、票が伸びないのは皆から共感を得られない思想の他に各種組織の連携のなさ、いや、ヤクザ、チンピラの類らしく、それそれの面子や利益の為に仲間割れをしている状態だからだ。日本会議のメンバーをwikipediaなどでみればわかるだろうが、創価学会なんぞ比べようも無い大組織である。各業界のそれなりのメンバー共が綺羅星のごとく所属している。これを活用して60万票なのだ。その程度の奴らなのである。
組織票といえば創価学会は舛添推薦だが都知事選なので投票のみで支援運動などなかった。期日投票が7日時点で88万6385人なのでさもありなんである。
むしろ自民党の方が舛添候補の応援に積極的であった。平沢勝栄代議士のFacrbookにはこうある。
『本日、テクノプラザかつしかでの、ますぞえ要一個人演説会に御越しいただいた皆様、銀座三越前に御越しいただいた皆様、本当にありがとうございました。
テクノプラザかつしかでの個人演説会は800人を超える皆様にお越しいただき、立ち見の方が200人を越えてしまい、ご不便をお掛けしましたことは、私どもの不徳のいたすところであります。
また、本当に多くの皆様に御参集を賜りましたことで、ますぞえ要一候補も勇気付けられたことと思います。
今後も気を引きしめて、選挙戦を戦って参りますので、どうぞ、御支援、御協力の程、よろしくお願い申し上げます。』
この様に都内各地で会場から溢れんばかりの人数を動員していた。秋葉原以外の場所で行なった演説で人を集めることができなかった田母神との力の差は歴然だ。
(噂では、この動員された連中は関東近県だけではないらしい。その多くは北海道や東北の低収入低学歴の貧困層で、日本会議絡みの派遣会社に都内での派遣先アルバイトなどを確保してもらい移ってきたそうだ。ご苦労なことだ)
また田母神支持のネトウヨブログが秋葉原で人が集まった事をアピールしたのが都民達の危機感を煽り、無党派層に舛添候補への当日投票に向かわせたのであろう。
また、投票率は46・14%と都知事選としては三番目に低い数字だが、他の都市に比べれば高い投票率であり、更に都の人口も考えれば60万票という数字が、そんなに多くないのは明白である。
その60万票が比例に出れば大きな力になるというのもオカルトもいいところで、比例に出れば田母神を支持していた組織票も自民党や、維新の会、みんなの党へと分散する。
60万票が田母神の票であるというのは三橋や倉山の詭弁である。この程度だから彼らはマスコミに大きく扱ってもらいたくてもTVに出れないわけだ。竹田恒泰の方が、数段、詭弁や分析力、タレント性が優れている。弟子達に歯茎が下品などと色んな掲示板に頑張って書かせても、彼らに御鉢が廻ってくることはないだろう。
むしろ、あの大雪でと50%に近い数字を維持できたのは都民から、極右極左勢力への拒絶という強烈な意思表示の現れである。
・・・と、締めたいが真に怖いのが先に述べた反原発であれば他の政策は、どうでも良いというオカルト的な狂信的反原発票である。
今回は良いタイミングで小泉純一郎元首相が細川護熙候補を擁立したので反原発の票が割れて上手くいったが、これが細川候補なしで大雪が降らなかったら?と考えると恐ろしい。
多分、宇都宮健児都知事が誕生したのではないだろうか?悪夢の第二革新都政の始まりである。この不況下で都が財政破綻をしたら、どうなるであろうか?五輪開催どころではなくなっていただろう。日本が救われて本当に良かった。
この様な妄想に基づく右翼のオカルト志向は、ヒトラーを例にとるまでもなく過去からあるらしく、三十万部も売れている竹田恒泰(wikipediaで、いろいろと過去の不祥事や提唱した極論を削除しているようだが)の著書『日本は世界でなぜ一番人気があるのか』も、そんなネトウヨ達の愛読書の一冊だ。
この本の中でも江藤淳という慶応大学文学部出身の文学博士が提唱したウォーギルトインフォメーションプログラムという被害妄想があたかも実在の政策の如く書かれているが、勿論、田母神などが、最近、過去から発掘してきたユダヤの陰謀論と同じで文書などの資料は存在しない。
こう書くと江藤淳が、まるでキチガイのように思えてくるが、三島の自決を軍隊ごっこと切り捨てたり、私も愛読している講談社学術文庫版氷川清話などの編集をしていて、過去に出た氷川清話の内容が編者の吉本襄に都合が良い様に改変されているので、江藤淳らが新聞や雑誌に掲載した当時当初のものに解説付きで戻したのだ。至って、まともな人物である。
やはり、何らかの意図をもって、もしくは何者かの利益供与などをうけ、あのような発言をしていたのであろう。
ある時は狂ったように極端な事を言い、ある時は理にかなった事をいう。皆さんも同じ慶應義塾大学出身で、似たような人物を知っているだろう。その人物は至って普通の内容の皆様に読みやすい素晴らしい古事記現代語訳本を書いている。
現在もオリンピックでメダル云々と怪気炎をあげつつ、韓国を叩いて皆の耳目と人気を得ようと頑張っている御仁である。在特会が良いことをしたなど、一見、隙の多い発言が多いのだが、右寄りの同業他者が舐めてかかって喧嘩を売れば、左翼を相手にするよりも冷静に対処し、時には(先ほど述べていた極論と矛盾するような)正論を述べて徹底的に叩き潰し自分のポジションを確保する。
その発言の基準は、善悪や思想哲学からくるものではなく、いかにして世の注目を集め支持を得るかということだけだ。そういう事に関する嗅覚が優れているのだろう。
それは彼個人を助けるものかもしれないが、なりふり構わないそれは時として周囲の人を陥れ、苦しませることになるかもしれない。
例えば2004年(平成16年)の皇位継承問題から男系か?女性宮家か?という論議が、皇族を放っておいて一部集団が内で行われていたが、2012年(平成24年)1月7日付の毎日新聞に彬子女王殿下のインタビューが載った数ヵ月後、竹田恒泰は月刊誌『極論正論』2012年4月号で論文を発表した。
2012年2月29日分 MSN産経ニュース『男系維持へ~』から
・男系維持へ「一族として応える」 旧皇族の大半、皇籍復帰要請あれば 「正論」で明らかに
(2012年2月29日 MSN産経ニュース)
『論文は、寛仁親王殿下の長女、彬子さまが今年1月7日付の毎日新聞のインタビューで、女性宮家創設だけが議論される現状に「違和感」を表明、「男系で続いている旧皇族にお戻りいただくとか、現在ある宮家をご養子として継承していただくとか、他に選択肢もあるのではないかと思います」と発言されたことを紹介。
このうち養子継承案が注目されているとし、旧皇族一族には少なくとも9人の未婚男子と、ここ数年内に結婚した5組の男系夫婦がいて、通常の養子や婿養子、夫婦養子となることが可能だと指摘している。』
以上、産経からの引用
実は上記の記事中にある彬子女王発言は毎日新聞の記事を一部だけ切り取り歪曲したような形になっている。
毎日新聞の記事が既に削除されており、探すのに苦労したが下記のブログに存在した。
http://blog.goo.ne.jp/flagburner/e/2b4ef6d68eb2fe25e4dc86381bd6df26
『 彬子女王殿下はインタビューで、国(政府・国会)に任せるしかないと政治的発言に関し控える姿勢を示しつつ、戦後に皇族の身分から離れた旧皇族の復帰案もあることを指摘。
「今の議論は女性宮家を創設するかしないか(のみ)になっているような気がして、そこには違和感がある」と戸惑いを語った。
ここから先の文章があり
『 また、結婚して民間人になるという前提で教育されてきたことを挙げ、「その前提が大きく変わるかもしれないというので、私自身落ち着かない状態です」と心境を吐露した。
そして、結婚適齢期の女性皇族が増えることに関し「お相手の方の将来にも関わってくる問題です」として女性宮家問題の早期決着を望んだ。
一方、皇室の将来については
「国民のみなさまが皇室をどのように見ておられるか」
「国民のみなさまが残したいと思われているか」
にかかっているとし、自身が結婚後も皇族にとどまることについては「結婚後も公務をすることに抵抗はありません」と語った。 』
月刊誌『極論正論』2012年4月号発売後から彬子女王殿下は、まるで女性宮家反対の男系論者みたいに世間に誤解されてしまった。
以前、同じ立命館大学の男性がという報道もあったようだが、この皇位継承問題以降、まったく聞かない。皇位継承問題からくる周囲の誤解から彬子女王殿下に風当たりが酷くなったので、警護をつけられない一般の方だから別れさせられたのだろうか?だとしたら何と酷いことをしたものだと思うが、自分も記事を読んで誤解するという、これに間接的に関与したのだ。自分も許されるものではない。
こんな風に方々に騒動を起している御仁であるが、参考先のブログも指摘しているように世間が求めているモノに対する嗅覚は優れているので、多分、これから先の未来においてネトウヨブームが終わり、三橋や倉山が世間様の目に触れないようになっても竹田恒泰だけはTVなどでコメンテーターとして見かけるだろう。日本らしい風景と言える。
しかし重要なのは皇族が男系女系などと低いレベルの議論で考えてない事である。場合によっては国民の意思に沿って皇室の存続を考えると言う。
新聞の報道で読んだが、今上陛下も親子三人で皇室の存続について話あったりするそうだ。皇室制度を廃止しても個人資産がかなりあり、皇族でなくなれば自由に使えるはずだ。生活には困らなそうだ。
皇位の安定的な男系継承のためのだの、女性宮家設立だのと騒いでいる一部の連中がいるが、国民の大多数が興味を持っていないはずだ。 今、皇室典範を改正すると騒いでいる連中の殆どが自己の所属している何らかの組織や権力者らが利益を得るために動いているのは明白だ。
これから先、皇統が途絶え、古来からの習わしに従って近い血縁の家、旧皇族などから男子を一人選び、全ての権利と財産と血縁を放棄させ、その者に天皇の位と皇室の財産を引き継がせることになったとしても、国民の半分以上は異を唱えないはずだ。
短い間のみ関心を持つかもしれないが、殆どの国民は反発も賛成もせず、哀悼と祝福だけはそれなりに見せ、生業に勤しんでいる筈だ。
皇室典範に限らず日本国憲法など改正がブームらしいが、現行法で問題の無いものを一時の流行で改正しようとする世の中の軽佻浮薄な流れはいただけない。
現在は世継ぎがおるのだから、皇位の安定的な男系継承のためのなどほざいて皇室典範改正を謳って世を乱すのは、必然的に、皇室、強いては主権者たる日本国国民に対して叛意を持っていると見られても仕方が無かろう。
その様な誤った見識を持った者が、例えば神宮の大宮司などになれば、忽ち天変地異が起こり、世は乱れ、日本全体が混乱の渦に巻き込まれることは必死だ。その様な状況では、いくら今上陛下が祭祀を行なおうが、政治家が政治を行っても全て裏目に出る。このままでは、この国の未来は明るくないだろう。
古来、中国には司徒、司空、司馬の三公という官職があった。天変地異が起これば、それぞれの担当に関係する災害は帝のせいではなく、その災害が起こったものに関連する三公の政治が悪いからだとされ、官職を罷免されたり、時には刑罰を受けたりした。
今の日本の状態を顧みれば与党たる自民党の下野、東日本大震災、遷宮の年の大雨、今年の大雪害など罷免するに足る状況といえるが、罷免する制度が無いので留まるのであろう。
もしなにか日本国全体を不幸に陥れる凶事が起こり、三代に亙って松平が悪いと口にするような状況にならなければ良いのだが。おおっと私もオカルトに毒されてしまったようだ。剣呑剣呑
過去に私は心游舎への寄付を人づてに頼まれた時に、MSN産経などに載った竹田恒泰の記事を鵜呑みにして、右翼や国粋主義者、特に然したる考え持たずに男系維持を盲目的に唱える連中と手を組んでる方にビタ壱文だしたくありませんなとか、親族に首相経験者が居られますから金には困らんでしょう。
私は貧民なのです。いや、貧乏だからこそ尚更払いません。去ねっ!と一喝したりしたが・・・憶えてるものだけ書いたが酷いことを言ったもんだ。
毎日新聞の当該記事が削除済みとはいえ、もっと事細かに調べれば良かった。
この記事があった事も思い出し、私が金には困らんでしょうなどと言ったせいなのか?と悩んでしまった。
http://jisin.jp/news/2537/3965/
最近、二度も熱を出して倒れているが無理な生活をしているせいではないだろうか?馬鹿なことを言わなければと激しく後悔している。
正直な気持ち、直接謝罪を申し上げたいところだが、それも迷惑だろうから彬子女王殿下が総裁を務める心游舎に賛助会員として、ひっそりと寄付でもしようかと考えている。ここに書くのは寄付だけすると世間の皆様に良い事をしていると思われるのが嫌だからだ。こんな事があって始めるのだ。私が犯した罪の告白である。
昨今、子供に日本の伝統や文化を勉強させたなどと騒ぐ者右寄りな者達が多いけれど、どうせなら本物の日本の文化や伝統を楽しんで学ばせては如何だろうか?
一般会員が一万円も!?とおっしゃる女性を見かけたが、企業や日本会議などの右翼団体をバックにつけてないから自然と高くなってしまうのはしょうがないだろう。
(貴方のお子様の大切な時期に、そんな連中と関わっては情操教育にも悪かろう)
これから賛同して頂ける方が増えれば組織運営も資金的に楽になり、運営内容も一段と素晴らしくなっていくことだろう。
そのためには、まず貴方達の善意ある賛同と行動が必要なのだ。もし御興味あらば、何卒、心游舎を宜しくお願い致します。
松浦玲と江藤淳による素晴らしい編纂!
編集者としての江藤は反米、国粋主義囚われずに良い仕事をしているのに・・・
- 氷川清話 (講談社学術文庫)/講談社
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講談社学術文庫版をオススメしたいが、立ち読みをして無理だなと思ったらコレ。
読み易さという点で、これが一番優れているかと。
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以前は、ここで竹田の古事記を薦めていたが、あれは欄外の雑学などに間違った知識や、今となっては事実に値しない説があったりするんで、そこも調べながら読むのも楽しみかと思って
下のような文章をつけて薦めてたんだけど。
また、思想に偏りのある完全講義は買わなくて良い。
(他に読み易いだけのものはある抄本だったり訳が適当だったりとオススメできない)
あの本を読んでる連中は資料をみたりして精査しないで、殆ど真に受けてる連中が多いのな。
(そんな大層なことしなくてもWikipedia程度でわかるものが殆どなのだが・・・)
最近、素晴らしいできの本が出たので、これからは、この古事記を薦めようと思う。
勿論、原文つきです。