2月26日05時26分頃、太陽と月が180度ピッタリになります。 乙女座7度台で迎える「満月」ですね。 この満月は旧暦の小正月にあたります。 旧暦の正月は、立春にもっとも近い新月の日、 旧暦の小正月(正月十五日)は最初の十五夜の満月をいうそうです。
今回の満月と関係するもので、「雪女」があります。
遠野物語103話に雪女の話が出てます。 「小正月の夜、 又は小正月ならずとも冬の満月の夜は、 雪女が出でて遊ぶとも云ふ。 童子をあまた引連れて来ると云へり。 里の子ども冬は近辺の丘に行き、 橇遊びをして面白さのあまり夜になることあり。 十五日の夜に限り、雪女が出るから早く帰れと戒めらるゝは常のことなり。 されど雪女を見たりと云ふ者は少なし。」 (新潮文庫版『遠野物語』より抜粋)
柳田国男氏が「遠野物語」で紹介する「雪女」は、 満月の夜に現れる女性で、大勢の子供達を引き連れていて、 触れるものすべてを真っ白な雪の固まりにしてしまう。 大人達は、満月の夜には子供達に、決して帰りが遅くならないように! と注意するという内容になっている。
青森県南津軽郡に伝わる「雪女」は、 吹雪の晩に子供を連れた美しい女性が老夫婦の家を訪れ、 老夫婦が女の乞うままに子供を抱くと、 女は強い吹雪に吹かれて粉々になってしまう。 老夫婦は残された子供を大切に育てるのですが、 風呂嫌いだったその子を無理やりにお風呂に入れると、 子供は熱さで溶けてしまった・・・というものがある。
日本には古来から、自然崇拝というかアニミズム(すべてのものの中に魂や霊が宿っているという考え)信仰があり、雪女は山の神が変化したものだが、 日本文化の不思議を紹介したラフカディオ・ハーンのシリーズにみる「雪女」は怪談の中でも、精霊といいうより妖怪に思われる部分もあるのかな。 岩手の遠野に限らず、東北地方の北部では、2月は厳冬の季節で、 いかにも雪女があちこちにいてもおかしくない感じですしね。
蝦夷とよばれていた北海道は内地よりずっとずっと寒いだろう。 私の姉は北海道の滝川に住んでいるが、冬の寒さはすさまじいようです。 「北海道ふしぎふしぎ物語」(合田一道著)の中に出てくる「雪女」に関しては 舞台は開拓時代の滝川で、 雪の舞う夕方、色白の女が空知川の畔に立っていた。 故郷の山形に恋人をおいて出稼ぎに来ていた若い男が、 恋人に良く似たこの女に誘われるまま恋仲になってしまう。 まるで、氷のように冷たい体を男は夢中で抱いた。 明け方、男が目覚めると女の姿はなく、 ただ布団がしっとりと濡れているだけであった。 男は毎夜のように女の家へ行き、女の冷たい体を抱いたが、 どんどん衰弱していく男の姿を心配した同僚が男の後を追うと、 男は川辺の穴蔵の中で細いつららを抱いて眠っているだけであった。 やがて、男は冷たい死骸となって発見される。 言い伝えによると、雪女の正体は故郷においてきた恋人であり、 男と離れて暮らすうちに寂しさから病気となり死んでしまったので、 魂となって男のもとへやってきたのだろうということである。 滝川には、開拓当初、山形からの移住者が数多くあったことから、 この話は山形出身者の間で伝承されたものかもしれないと言われている。
旧小正月の満月と雪女・・・・・
まるで、日本列島に雪女の息がかかっているようにも思えますね。 北海道では樹氷やダイアモンドダストが綺麗なようです。 |
