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楽茶碗が最高の抹茶茶碗である理由

 楽茶碗は茶席の客が本当に美味しい抹茶を味わうことができるよう、利休が理想とする茶碗を陶工長次郎に命じて作らせたものである。


 抹茶を茶筅で泡立て易い手捏ねの半筒形で、鮮やかな緑色が引き立つ黒か赤の釉薬がかかる。また陶器よりも軽く保温性が高い多孔質の生地は、陶器や磁器よりも低い焼成温度と焼成方法によるもので、長次郎が編み出し、四百数十年間変わらない日本独自のものである。
 利休に茶碗作りを命じられた長次郎は、海軍から当時としては驚くべき速度、航続距離と空戦性能を持つ零戦の開発を命じられた設計士堀越二郎のように、大いに悩んだであろう。
 茶碗を持つ客の手に馴染み、適度な温もりを感じる。そして、抹茶の品質には、多くのグレードがあるが、どのグレードの抹茶にもその最高の味わいをもたらす。
 唐物や名物茶碗の茶の湯を否定し、侘び茶を提唱する利休の真骨頂である。

 因みに30数年前、私はロイヤルコペンハーゲンのコーヒーカップとティーカップを日本の半額だからとデンマークの本店で買い求め、長駆壊さないよう苦心して持ち帰った。
 早速、このヨーロッパ高級磁器で熱々のフォートナム&メイソン紅茶を味わおうとしたら、カップが火傷をするほど熱くて持てない。口もつけられない。
 結局、生ぬるいコーヒーや紅茶しか飲めないので、数回使ったきり、食器棚の飾りになっている。
 陶工長次郎の偉大さを『飾棚』のカップを見るたびに感じている。
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