6月26日(水)

私の好きな小説は、恋愛ものであれ、家族や友情ものであれ、あるいはSF小説であれ、胸キュン の感動があって、終わりはハッピーエンドの幸せが自分の事のように味わえる、単純な物のような気がする。 私の頭が単純だからだろう。

策略や、嫉妬や、裏切りでどんでん返しをされるものは、どうも疲れて気分が悪くなる。

 

昨日、NHKの連続テレビドラマ 「燕は戻ってこない」 が最終回を迎え終了した。

以前にブログネタにしたが、久しぶりに、次を楽しみにしたドラマだった。

桐野夏生原作、芳川英治賞と毎日芸術賞を受賞した同名小説のテレビドラマ化だったようだ。 桐野夏生は 「OUT」、 「メタボラ」、「グロテスク」などが頭に浮かんでくるが、どれも面白かったが、胸キュン やハピーエンド 物とは所属外 という、テーマ性、人間の本性を突き付ける、人の心を不安と焦燥感、絶望等 マイナス感情を呼び起こさせる小説が多い。 

 

今回のテーマは 「代理母」。  ドラマの最初のタイトルの次辺りに、「日本産婦人科学会は本医療を認めていない」 というテロップのようなのが映される。

バレエダンサー草桶基は仲介者を経て、大石理紀に代理母を依頼することになる。

自分の遺伝子を残したいという基、ビジネスとして、自分の卵子と子宮を差し出すのだという理紀。 産めない女を助ける意味ある行為だと仲介の女性は言う。

このドラマのテーマは、簡単に、金持ちと貧困者の問題だ、と思う。

 

ちょっと視点を変えて、理紀を結婚を望まないけれど我が子が欲しい女。という設定にしたらどうなるだろう。 テレビドラマの最後は結末を伝えなかった。

赤ん坊がこの世に誕生したことを告げたようだが、原作の理紀が女の子を連れて失踪? した話はなかった。 妊娠月数がすすみ、微妙に母性の芽生えを感じさせるような場面が出てきた。 このドラマの登場人物は、それぞれに自分勝手だ。 誰が正しいなんてないように思う。

自分の勝手な欲望のために母親になることを選んだ女、その理由はさておき、になるが、どうだろう。 これも問題いっぱいの小説にはなると思う。 書いてみたい気がするが……