鬼灯の涙

 

 大衆演劇では、お芝居の前後で舞踊ショーがあります。座長さんや花形さんの個人舞踊や劇団員さん達の息の合った群舞、ゲストにいらっしゃった役者さんと座長さんとの相舞踊など。曲も演歌からk-popまで幅広く、それもまた日替わりで演じられるので、今日はどんな舞踊が見られるかな?と思いながら通うのも大衆演劇の楽しみの一つです。

 ある時、鬼の面をつけて踊っている方がいらっしゃいました。途中で面を外した時の悲しげな表情…それを見た時に、恐ろしいはずの鬼の悲しみを見た気がして、そこからこのお話が生まれました。どんなお二人が主役を演じていただけるのか、それによってお話の雰囲気もだいぶ変わってくるかと思います。そんなところもとても楽しみにしているお話です。

 

あらすじ

 鬼の一族の長である鬼兵衛とその妻で人間である登与の暮らす里が登与の兄の松永に襲われ、二人は鬼の一族もろとも命を奪われる。残されたのは一粒種の幸丸。成長した幸丸が向かった先は…そしてそこで出会った青年卯之吉。彼もまた辛い過去を抱えていた…。